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第15話 記憶<繋ぐモノ、紡ぐモノ>R18

「ぁっロウっ。」   胎の内側を撫でられる感触に、声が漏れ出る。 「そこっ、もうっやあっ。」  気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。頭が快楽に飲まれ始めて、正常な思考から遠のいていく。 (あの時はあんなに気持ち悪かったのに。)  これはロウだからこそなのか、それとも淫猥な身体に作り変えられたのか。 「ふあっ。あぅうっ。」  性感帯を刺激され、快楽の波が身体に寄せ来る。 「い゛ぁっ。」  首や鎖骨、胸、腹、脚。身体の至る所に噛みつかれ、血肉を貪られる。 「あっ。んんんんっ。んぁああっ。」  もう何度目かになる絶頂の感覚がする。下腹部が痺れて痙攣する。いったい、これでもう何回目なのだろう。 「ぁっ。あっ。あっ。んんんっ。ロウっ。もうっ終わってっ。」  なおも動き続けるロウに懇願する。 「あっ。ああっ。んんっ。あっ。」  が、動きは止まるどころか、一層激しくなる。 「あっ。あああっ。ひっんんんんんんんっ。」  先程も達したばかりであるにもかかわらず、またしても絶頂を迎える。 「はっ。はあっ。はあっ。はあっ。」  動きが止まり、ゆっくりと呼吸をする。ロウの顔を見ると、やはり泣きそうな顔をしていた。 「…ロウ?」  ピクリ。名前を呼ぶと、ロウの肩が怯えたように動く。 「ロウ、あの、へ?」  話を進めようとすると、ロウは僕を持ち上げ、バスルームへと向かった。 「え?あの、ロウ?」  ロウの腕の中で一人混乱する。 「あの、ロ…わっ。」  中に放り込まれ、扉を閉められる。 「ロウ…?」  何も言わないロウの顔を覗き込む。 「……ごめん、レイ。」 「……へ?」  しばらく間を置いた後、謝罪の言葉が聞こえた。 「俺、レイに酷い事した。ごめん。」  視線を地に落とし、合わせようとしない。 「ごめん。」  声が暗い。きっと、後悔しているのだろう。自分の行った事を。ロウが謝ることなんてないのに。 「ロウ…何をそんなに気にしているの?」  ロウに向かって、問いかける。 「え?」  ロウが、酷く間の抜けた声をして顔を上げる。涙で整った顔がぐちゃぐちゃだ。勿体ない。 「ロウは、僕の独り言を聞いたんだよね。それで、離れたくなかったんでしょ?置いていってほしくなかったんだよね。」  背中に手を回して抱き寄せ、頭を撫でる。 「ありがとう、好きになってくれて。離れることを嫌ってくれて。」  愛しい、愛しい悪魔の子。僕が初めて育てた子。愛を注いだ子。 「大好きだよ。愛してる。」  何よりも愛しい僕の子供。 「…うん。ごめん。ごめんなさい。ありがとう、レイ。ありがとう。好きだって言ってくれて。愛を注いでくれて。受け入れてくれて。」  ロウが更に涙を溢す。 「うん。こちらこそありがとう。あとこれはあくまでも僕の推測だけど、ロウはきっとミカエルに嫉妬してくれたんだよね。」 「うっ。」  ミカエルの名前を出すと同時に、ロウの身体が硬くなる。 「可愛いなあ、ロウは。まさか、本命の理由そっちだったりするのかな。大丈夫だよ、ミカエルは天界にいた頃の上司でね、僕と同じくらい強いから、あんま来てほしくなかったんだ。」  露骨に態度にでるロウが可愛くて、くすくすと笑ってしまう。 「そ、うなんだ…」  今度は一気に力を抜いた。 (ロウは、思考が顔や態度に露骨に出るタイプなのかな。反応がすっごい可愛い。) 「まあ、とにかく、心配することも、今回の事を気にすることもないよってこと。まあ、できれば次はあんまり噛まないでほしいかな。」  ぽんぽん、とロウの頭を撫でて言う。 「…次!?」  突然、ロウがガバッと僕を腕を掴んで引き離し、顔をまじまじと見る。ちょっと赤いのが可愛い。 「ふふ。優しくしてね。」  そんなロウの頬に手をやり、耳元でそっと囁いた。

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