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第5話
ぶす、と不機嫌な顔で
シバは風呂から出てきた
「おう、抜いた?」
『…抜いてねえ』
「なんで、せっかくやりやすいように1人にしてやったのに」
『…うっざ、』
と、いうシバの股間は
まだ少しふんわりと膨らんでいて
たしかに抜いてなさそうだった
やればよかったのに
人んちだから遠慮したか?
「お前、今日どうすんの?熱下がったから帰る?」
『……帰るけど』
「どこに?」
『………』
「家ねえの?まぁあったらあんな所にぶっ倒れねえか」
『…あった、この前までは』
「で?どこやったの、家」
『…倒産した』
「残念なやつ」
『うるせえ』
「仕事は?」
『……それも、倒産した』
「ふーん、じゃあさ」
『なに』
「俺の仕事、手伝わね?」
『おっさん、仕事なに?』
「おっさんじゃねえよ、まだ」
『どーでもいい』
「夢を売る仕事」
『は?』
「俺の仕事。夢を売る仕事だよ」
『なんだそれ、あやしすぎんだろ』
「まぁそう言っちゃそうだが」
『で、なにすんの?』
「お前得意だと思うよ」
『なにが?』
「おもらし」
『あ?な、なにいってんだ、』
「いや、普通の風俗とかしようと思ったんだけどそれも悪くねえなって」
『いっ、みわかんね!』
「いや、いいと思わね?お前みたいなさ、普通の、いや、見た目はいい大人が我慢できなくて漏らしてる姿。そうそう見れるもんじゃねえだろ」
『いや、興味無いでしょ』
「あるやつはいるって」
『まさかあんた興味あんの?だから俺を』
「ちげえよ。…まぁ、興味は無かったがお前の見て悪くねえって思った」
『へ、変態』
と、引き気味で言ったシバ
しょうがねえだろ、おまえがもらす時の顔見て
ピンときちまったんだから
『やだよ、そんなの。やんねえ』
「だったら何できんの、俺の手伝い」
『掃除とか洗濯とか…料理とか』
「ヒモでもやろうってのか?」
『そ、れは…』
と、考え込むシバ
「漏らすだけでいいんだぜ?それでここに住ませてやるし給料も出す」
『その漏らすのが1番嫌なんだよ、ちょっと考えたらわかるじゃん』
と、生意気なことをいうから
べしっと頭を叩いてやる
『な、なんだよ!暴力振りやがって』
「生意気」
『うっせえ』
と、膨れてそっぽを向いて膨れたシバ
ガキかよっておもったけど
よく見ると
寂しそうな顔をしていた
ここから出たら、本当に行くところ無いんだろう
ガキってより
捨て犬だな、こりゃ
「なぁ、俺お前の事飼ってやるよ」
『……かう?』
「ペットにしてやるって言ってんの」
『ペット?なんで、』
「ちょうどいいじゃん。犬みたいな名前で」
『は!?』
「シバ、どうすんの?出てくの?」
『………』
と、むす、と眉間にシワを寄せて黙りこむシバ
だけど、
ふす、と少し息を吸って
『飼われてやるよ。ご主人様?』
と、精一杯
見栄を張って言うシバ
馬鹿だなこいつ
そして、
以外にかわいいじゃねえか
「そしたら、まずはお手でもしてもらおうか?」
と、手を差し出すと
シバは俺のことを一瞬睨んだけど
俺の足元にしゃがみこみ
ゆっくりと俺の手に自分の手を伸ばす
そして、
掴まれたとおもったら
「いってえ!」
がぶり、と歯を立てられた
『ふっ、』
そして、勝ち誇ったように笑う
「何しやがんだ」
『飼い犬に手を噛まれるってやつ?』
「…まぁいい。じっくりしつけてやるよ。犬っころが」
『やれるもんならやってみろ』
と、生意気な口を叩くから
後悔させてやりたくなった
まぁ、仕事の息抜きにでも
可愛がってやるか
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