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第14話

「シバ、俺のパジャマなんか汚れてんだけど」 『…しらね』 翌朝、 シバは昨日の事をなんにも言わないから こっちから問い詰めたのにこの態度だ 「なんだこれ?匂い嗅いでみたら分かるか?」 『ちょ、待て』 「なに?」 『なんでもない』 と、あくまで俺には言わないつもりなのか シバはそっぽを向いた 隠しきれると思ってんのかね しかし、シバの悪癖は 続いた 仕事を初めて 俺とほぼ常に一緒にいるからか ベッドに入ってしばらくしてから俺に ねてる?と確認して抜き始める機会が増えた 3日に1回程度だが 毎回汚れたパジャマを予洗してからハウスキーパーに出す俺の身にもなって欲しい 毎回パジャマの下だけ手洗いするもんだからなんか俺が汚してるみてえだし このパジャマの時ばっかりだから下ばっかり予洗のせいで洗う回数が増え心做しか色あせたように見えた 予洗が終わったパジャマを洗濯機に投げ込み仕事に向かった 「社長、シバくんおはようございます」 「おう」 『おはようございます』 「今日シバくん、棚卸しやってもらっていいかな。あっちの倉庫で在庫数えといて。午前中はそれ終わったらお昼休憩しに行っていいから」 『はい』 と、シバの職場での管理は基本的にヤナギに任せていた 「シバくんよく働きますね」 と、シバの背中を見送っていうヤナギ 「そうか?あいつ家ではなんも出来ねえけど」 「向き不向きっすかね?つか社長疲れてないっすか?」 「そんな事ねえよ」 「よく寝れてないとか」 「…いや、それほどでもねえけどよ」 「なんかあったんすか?悩みとか」 と、ヤナギはリラックス効果のあるお茶を入れてくれるからいいやつだ お茶か、ヤナギのリラックス効果のせいか 俺はゆっくりと口を開く 「……知り合いの飼い犬の話なんだがな」 「知り合いの飼い犬、」 「悪癖が出来ちまって困ってんだと」 「なんすか、悪癖って」 「オナニー」 「まぁ…するでしょうね。オス犬だったら」 「まぁなぁ」 「…どれくらいのペースでするんですか?」 「まあ週2.3回」 「まぁ、しょうがないっていうか…発情期っすかね?」 「そうかねえ」 「どこでやってんですか?うっさいんですか?声とか」 「いや、声はあんまり。ただ、寝てる横で脚に擦り付けてくるからこっちは寝られやしねえ」 「それで寝不足に」 「………ってその知り合いの飼い主にきいてよ。どうしたもんかと」 「なるほど」 「毎回パジャマ洗うこっちの身にもなれってんだよな?」 「……溜まってんすかね」 「いや、それなら俺に……飼い主にバレないようにやればいいだろ?」 「バレてないと思ってんじゃないっすか?それかどうしてもそこでやりたいか」 「なんで?」 「飼い主が好きだから。それかそこが気持ちいいとか」 なるほど それは考えたことなかったな さて、シバの場合はどっちなのだろうか 前者だったらかわいいなくそ 「まぁ、続くようなら、教えてあげた方がいいんじゃないっすか?バレてること」 「まぁ、そうだよな」 いや、かわいいからついそのままにしていた所はあるけど 「さんきゅー、ヤナギ」 「あ、あとあんまり擦り付けオナニーって良くないみたいですよ、床オナとか。その刺激じゃないといけなくなるから」 「あぁ、そうだよなぁ」 「…あ、人間の場合っすけど」 「飼い主に伝えとくわ」 「へーい」 と、少しリラックスできた俺は ヤナギと仕事に向かった ◇◇ 仕事をしていたら 昼少し前に シバがこちらをチラチラと覗いていた 「どうした?終わったか?」 『午前中のは』 「飯、一緒に行くか?」 『いく』 一応シバは1人で飯を食いに行ったりも出来るように ちゃんと給料先払いの形で渡していた 普通に俺のペットだから金渡したら嫌がったからこういう形をとっていた けど、1人であんまり外に食べに行くのが慣れないのか いつもコンビニとかで適当に済ませていたけど 今日は偶然俺を見かけたからから 傍をうろついていた 「何食いたい?」 『おっさんの食いたいもの』 「おっさんじゃねえし」 『で、何食いたいの?』 「そこの純喫茶いくか。ナポリタンあるし」 『ナポリタン好きなの?』 「まあまあ好きだなー」 ふうん、とシバは言って 俺についてきた 純喫茶の雰囲気に慣れないシバは キョロキョロと辺りを見回した 「何食う?」 『おれも、ナポリタン』 「ナポリタンなー」 と、店員にナポリタン2つと サラダセット、コーヒー あとシバのクリームソーダを注文し タバコに火をつけた 『タバコ吸うの?』 「あぁ、仕事中だけな」 『家では吸わなかったろ』 「だから仕事中だけだって」 『俺も吸う』 「未成年だろ」 『……』 「そういやお前誕生日いつ?」 『3月21日』 「まだまだじゃん。ガキじゃん」 『うっせえ、すげえうっせえ』 「は?生意気言ってんじゃねえよ」 俺の脚でオナってるくせに 「ほら、クリームソーダ先飲んどけ」 と、運ばれてきたクリームソーダをシバの前に置くと早速アイスから食い始めたシバ 「うまい?」 『うまい』 と、シバはほぼ一気にそれを飲んだ そして、しばらくして運ばれてきたナポリタンをシバは嬉しそうに食べ始める 『うまい?』 「あぁ、うまいけど」 『ふーん』 となんで聞いてきたのな 興味があるのか無いのかわからない反応をする 飯の後は 社長室という名の俺の部屋に戻って 時間があるシバは俺と一緒に午後の仕事を言いに来るヤナギを待っていた 『くしっ』 「エアコン寒いか?」 『さむい』 「へいへい」 と、空調を少しだけ緩める 「なんか温かいもの飲むか?」 と、ヤナギのお茶コレクションから適当に未開封のお茶を選んで入れてやる 「はい」 と、渡すとすぐにシバはそれを飲み始めた まあさっきもクリームソーダ飲んでたから身体が冷えたのだろう それを飲み終えるとうとうととしだしたシバ ここで働く前の1ヶ月弱 シバは家でほぼゴロゴロして 寝たい時に寝るような生活をしていた だから急にフルタイムで働くのは身体が慣れないのか 眠たそうだった 明日は休みにしてやるか 「シバくん、午後の仕事、お願いしていいかな?」 『お、お願いします』 と、一応目上のものに対する態度は分かっているのか ヤナギには敬語を使って頭を下げた 「このメニューのポップ、パソコンで作って欲しいんだけどできる?あ、パソコン社長の借りていいっすか?」 「あぁ、これでいいか?」 と、二台あるうちの使っていない方のパソコンをシバに渡す 「ここでやるか?」 「あ、別にどこでもいいっすけど。シバくんここの方がいいよね?」 『どこでも、』 「じゃあ社長さえ良ければここでやっちゃって。終わったら声かけてね」 『はい』 と、シバは渡されたメニューの表を見て ソファに座りパソコンをいじり始めた 俺も仕事するか、と二人とも無言でパソコンに向き合う 1時間くらいした頃だろうか 「あ、ちょっと電話忘れてた」 『電話?』 「してくる」 『うん。あ、おれもうこれ終わるけど』 「じゃあ帰りにヤナギ呼んでくるからから待ってて」 『あ、…うん』 と、シバが頷いたのを確認して 社長室から一旦出る そして、電話をかけ用件を済ます 「あ、社長。たんぽぽ茶見なかったっすか?」 「なんだそれ?」 「利尿作用強いお茶っすよ。キャストの子に上げようと思ってたんだけど俺朝社長のところに忘れたっぽくて」 「あ……」 「なに?まさかのんじゃった?まぁいいけど。まだ何個か入ってますよね?」 「いや、俺は飲んでねえ」 「え?」 「さっき、シバに飲ませた」 「は!なんで!?」 「いや、普通に適当に選んだやつ。未開封だったのそれだけか?」 「そうっすよ!うわあ、シバくん大丈夫かな?」 「俺戻るわ」 と、急いで社長室に戻る いや、便所くらい、好きに行くだろ と、思いながらも焦りつつ 社長室のドアを開けると 『んっ、っ、』 「シバ、おしっこ?」 ドアノブに手を伸ばし 反対の手はしっかりと自分の股間に挟んでいたシバがお出迎えだ 『う、うるさい』 と、ぱっと手を離すけど 『んんんっ』 すぐに出ちゃいそうになったのか 自分の股間を再び抑える 「我慢できる?」 『で、きる、』 と、ゆっくり足を踏み出したが ぽた、っとシバの黒いズボンから一滴水が落ちる そこでもう我慢の限界だったか ぽたぽたぽたっと一気に水が零れだし 水流になり ぴしゃぴしゃと音を立て 地面に水溜りを作っていく 「ぁああ、」 『っん、ぁっで、でちゃっあっ、あぁ、っ』 と、必死に自分の股間を揉み込むけど止まらなくて もう諦めろ、とシバの手を股間から離させてやる すると、止めるものが無くなり ジョワワワワっと勢いよく溢れ出し シバの中心からは水が吹き出した 『あっなんでっ、んん』 「シバ、我慢しなくていいから。出しちまえ」 『…はぁっ、っ』 ぴちょん、ぴちょん、と最後の一滴まで出し切ったのか シバは脱力してその場に座り込む 「たくさん出たな」 『うるさ、い』 と、顔を赤くして下から睨むシバ 『お前が来なければ間に合ってたのに!』 「あー、そうだな。悪かった悪かった」 と、適当にあしらい 「今着替え持ってきてやるから。大人しくしてろよ」 と、残して社長室のドアを閉め着替えを取りに向かった 「シバくん大丈夫でした?」 と、こそっと聞いてきたヤナギには 無言で首を振って シバの失敗を伝えた

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