17 / 180

第17話

「シバくんお熱出しちゃったんだって?大丈夫?」 と、ハウスキーパーのおばちゃん 田中さんは俺の伝えた物を買ってきてくれていて それを俺に渡して中に上がる 「重っ、2L買ってきてくれたんすか」 「それぐらい飲まなきゃダメなのよ!熱が出た時はとりあえず飲んでたくさん汗かくのよ!」 「は、はい。あ、あの、今日掃除いいっす。給料は普通に出すんで。今日は俺もシバも1日いるしシバは1日寝させるから」 「そう?じゃあ雑炊だけ作ってくわね」 「頼んます」 「今シバくんは?寝てるの?」 「起きてる。リビングのソファでゴロゴロしてる」 「ダメじゃない。ちゃんと暖かくして寝てなきゃ」 と、さっさと手を洗いキッチンに立つ 『あ、みなちゃん』 と、シバは起き上がってキッチンにやってくる 「シバくん、こんにちは。お熱出ちゃったの?」 『んー、らしい』 「体温は?測った?」 『まだ計ってない』 「ほら、計っちゃいなさい」 と、田中さんは引き出しから体温計を出してシバに渡す シバ、めちゃくちゃ懐いてんな、田中さんに なんだよ、みなちゃんって 確か田中さん美奈子さんとかだっけ 「シバくんお粥と雑炊どっちがいい?」 『雑炊』 と、体温を計りながらシバは答え ソファに丸くなった 俺は田中さんの手伝いをしようと 冷蔵庫を開け 買ってきてもらった物を冷蔵庫にいれる 「シバくんお薬は?飲んだの?」 と、田中さんは 雑炊を作り始めながら俺に聞く 「あー、さっきとりあえず飲ませましたけど」 「そう、だったらいいけど。吐き気とかもないのね?」 「無さそう」 「そう、じゃあこれはもし辛そうだったら使ってあげてね。それでも治らなかったらちゃんと病院行くのよ」 と、田中さんは俺に何かを渡した 「何?薬?」 「座薬よ。吐き気あったら薬飲めないでしょ?あとこっちの方がよく効くから」 「ざやく?なにそれ」 「お尻からいれる薬よ」 「げ、そんなのあるの?」 「小さい子とかは親がよく入れてあげるのよ。やっぱり男の人の一人暮らしだとこういうの用意してないわよね」 「へえ、まぁ辛そうだったら使うように言うわ」 「それであなたは何か食べる?」 「作ってくれんならなんでも食う」 「じゃあ適当に作るからシバくんベッドに連れて行ってあげなさい」 「へいへい」 田中さん、シバの事 子供だと思ってんのかな まぁ、無駄に見た目だけは育ってるけど 中身ほとんど子供だよな。あいつ 未成年だし その時 シバの方からピピッと小さな電子音が聞こえた 「何度?」 『37.8』 「結構高ぇな」 ちゃんと熱あんじゃん 「シバー。ベッド行くぞ」 『お前は?』 「いや、俺は」 「一緒に行ってあげなさいよ!子供は熱出すと1人だと不安になるのよ!」 と、キッチンから田中さんの声が飛んでくる いや、こいつ子供じゃねえけど 「不安なの?」 『ちげえし』 まぁ行くか、と 先に行こうとすると シバはソファに座ったまま手を伸ばしてきた 『連れてけ』 「あぁ?」 『連れてって』 はぁ、とため息を吐き シバを抱き上げる 「重っ」 ちゃんと男だな、こいつ あー重い、と文句言いながら ベッドまでシバを運んで下ろす 『ふう、だるい』 と、シバは自分の目元を腕で覆う 「冷えピタ貼っておこうなー」 と、前髪を避けて冷えピタを貼る 『んんん、だるい』 だんだん辛くなってきているのか 熱があるって自覚して辛いのか シバはもう今日は1日ぐったりするだろう 仕事休みにして本当によかったな 掛け布団を上まで掛けてやると 枕に抱き着き ぎゅう、と丸まった 『俺寝るまで、そこいろよ』 「うっせえなぁ。わかってるって」 と、生意気な口調のお子様の目元は 少し涙が滲んで見えた 辛いのか、と ゆっくりと頭を撫でてやると 次第に呼吸がゆっくりになった 「シバ…寝た?」 と、小さな声で聞くと シバは反応しないから寝ただろうと 音を立てないように 寝室から出ていく 「シバくん寝た?」 「寝ましたよ」 「そう、じゃあ私帰るから目覚ましたら雑炊温めて出してあげて」 「はい、今日ありがとうございました。買い物まで」 「なんかあったら言いなさいよ。それと、くれぐれも水分!沢山飲ませるのよ」 「はいはい」 ありがとうございましたーと 玄関まで田中さんを送って 俺はリビングに戻り 田中さんが俺のために作った朝食を食べ始めた ◇◇ リビングでテレビを見ていると 寝室の方で ガタガタっと音がした シバ、起きたのか?と、 寝室のドアを開けて様子を伺う シバはベッドのすぐ横にへたり込むように座っていて 『っぁ、ん、』 と、辛そうに顔を赤くしていた 「シバ、どうした。起きたか?」 『んっぅ、でてる、』 「でてる?」 なにを言っているかわからなくて 床に座るシバの腕を引いて立たせようとすると シバは ぶるぶる、と少し身体を震わせた 『あ、ばか、でてるって、』 「シバ?」 そして、ぽたぽたっと 地面に少し水滴が零れた 「あぁ、漏らしてた?」 『ば、ばか』 ようやく、シバが言っていたことを理解した 「すげえ出たな。漏れたか」 腕を引いても立たせようとしても 脚に力が入らないのか 立てなくて ベッドにタオルを敷いてから シバを持ち上げてそこに下ろした 「あーあ、スウェットまで濡れてる」 『たくさん、でたから、』 スウェットを脱がすと パンパンに膨らんだ おむつの横から一筋漏れていた 「あ、まだ出てる?」 『とまらな、ちから、はいんねえ、』 「いいよ。出せ出せ。田中さんが言ってた。たくさん水分取って汗いっぱいかけって」 と、おむつの横を開いてやると しょろしょろ、と力なく シバの物は水を零していた おむつの許容量はもう超えていて 吸収することなく ぴしゃぴしゃ、とおむつの中に水が跳ね返る そして、 ぶるっとシバは体を震わせて ようやく水は止まった 「沢山でたなー、」 と、中に溢れかえっている水を零さないように そっとおむつをシバの尻の下から引き抜き そして、おしりふきを何枚か多めに出し、 シバの物から、脚、尻をしっかりと拭いてやる シバは余程だるいのか されるがままで 起きているかもよく分からなかったが 『なぁ、』 と、口を開いたから 手を止めてシバを見る 「どうした?」 『たくさんだして、えらい……?』 「あぁ、偉いよ」 と、足からおむつを通す 『ふっ、』 と、シバは赤い顔で笑った 「ほら、まだ寝とけ。綺麗になっただろ?」 『うん、ねるから…』 と、スウェットもかえてやって上まであげて 布団を掛けてやると シバはまた寝息を立て始めた 熱、上がってんのかな

ともだちにシェアしよう!