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第31話
シバを拾って数ヶ月が経っていた
拾った頃は暑くて
ビールがうまい季節だったのに
いつの間にか
外の空気はひんやりし始めていた
なのに、
教習所に行こうとするシバは
バカみたいに薄着で行こうとするから
引き止めておむつを履かせ
上着を着せてから送り出した
何日か教習所に通わせているが
外でシバが失敗して帰ってくることはまず無い。しかし、相変わらず夜の失敗が治らず
念の為おむつを履かせているが
そろそろ寝る時以外はおむつを外してもいいかもしれないな
シバ自身も結構注意をしていて
寝る前は水分をひかえたり
必ずトイレにも行っているのだが
やっぱり朝までは持たないようで
朝方に起されておむつを変えてやっていた
出した後は不快感からか目が覚めるようだが
出す前はどうしても起きられないらしい
まあ、連日の教習所通いで疲れているのだろう
外ではやっぱり漏らさないように神経も使っているようだし
そして、寒さのせいか量が増えていて
たまにおむつから漏れだしていることもある
ヤナギに相談したところ
テープタイプにパット入れるといいですよ!とアドバイスをしてくれたから
今晩から早速実践することにしていた
しかし、
『やだ、絶対やだ』
と、ベッドの上でテープタイプのおむつをスタンバイしていたら
首を激しく横に振り
物凄い速度で逃げ出そうとするシバ
「ちょ、待てって」
『やだ、そんなのやだ』
「なんで?変わんねえじゃん」
『かわる。いつも自分で履いてたし』
「いつも俺が脱がせてやってんだから一緒じゃん」
『一緒じゃねえし』
と、シバの中では
テープタイプには何故か物凄く抵抗があるようで
ふん、とそっぽを向いていた
「だって最近寒いから量増えて漏れてることあんじゃん。洗濯増えて困るんだけど。みなちゃんに洗ってって自分でお願いするか?」
『………なんでそんな意地悪ばっかり言うんだよ』
「意地悪じゃない」
ふん、とそのままそっぽを向いて寝ようとするシバ
「シーバ」
『……』
「起きろ、シバ」
と、いうとシバは心底嫌そうな顔をして起き上がる
「シバ、お座り」
『は?』
「早く、シバ。お座り」
シバは俺を睨み
布団から出て
ベッドの上に手をついてしゃがんだ
まさにお座りポーズだ
「よし、偉い」
と、頭を撫でてやると
少しだけ機嫌が治ったのか
俺を睨むのをやめた
『やだって言ってんじゃん』
「俺しか見ねえだろ」
『お前にも見られたくないんだよ』
「今更気にしねえよ」
と、いうとまた俺を睨んだから
「言うこと聞いたらちゃんと褒めてやるよ?」
『…なんて?』
「さあな?それは言うこと聞いてみないとわかんねえよ」
と、いうと
シバはのろのろと屈服ポーズ
お腹を上にしてベッドに寝転がる
『早くしろよ、』
と、どうやら褒めて欲しいらしいシバは
ようやく俺の言う事を聞く気になったようだ
「よし、」
と、シバの服を脱がせて
腰を浮かせるようにいい
下におむつを差し込む
心配そうに見ていたシバと目が合うと
顔を真っ赤にし、
すぐさま逸らした
『見んな、俺の顔』
「はいはい」
と、適当に流し
ヤナギに言われた通り
パットを敷いてから前を閉じ
テープでしっかりと止めてやる
そして、足の付け根に指を入れて
ギャザーを立てると一瞬シバの太ももに鳥肌が立った
「苦しくねえ?」
『苦しくねえから早くスウェット履かせて』
と、一刻も早くその姿を隠したいらしいシバは
スウェットを履かせてやると
ふぅ、とため息を吐いた
いつもよりだいぶもこもこしている
スウェットを履いているのに
その下はおむつだと丸わかりで
赤ちゃんみたいでかわいくて思わず笑ってしまった
『なに、いま笑った?』
「笑ってねえよ」
さて、寝ようと、と
ベッドの中に入ろうとすると
シバはじー、と俺の事を見ていた
「なに、」
お前も寝れば、と思ったけど
シバが言いたいことがわかり
ぽん、とシバの頭に手を置く
「言うこと聞いて偉かったな」
そう言いながら頭を撫でてやると
顔を赤くして
ふん、と嬉しそうに俺にくっついてきた
こいつ褒められんの好きな
いや、褒められんの嫌いな人は居ないだろうけど
なんというか
褒めて褒めて、としっぽを振る犬そのものだ
世話に手間がかかって仕方ねえ犬だけど
手がかかる子ほどかわいいってやつか、これは
『なあ、』
「なんだ?」
『眠くねえ』
「寝ろ、明日も教習所だろ」
『…ふーん、』
「なに、寝たくねえの?」
『オナニーしたい』
「は?つける前に言えよ」
『だっていましたくなったんだからしょうがねえじゃん』
「我慢しろ。明日やってやるから」
『ほんと?』
「ああ」
『…じゃあ、寝る』
と、シバは枕に抱きついた
いや、どこにムラムラポイントあったんだよ
履くタイプのおむつなら脱がせてやってまた履かせるの簡単だけどテープタイプだとそれがめんどいな
と、よくわかんない悩みができてしまった
まぁ、寝れるならいいか
もし我慢できないくらいだったら自分でやるだろ、シバも
あんなの履いてるけど本当に子供な訳じゃねえんだし
◇◇
翌朝
アラームで目が覚めて隣を見ると
シバはこちらに背を向けて寝ていて
朝方に起こされなかった事を不思議に思う
出なかったか?
「シバ、そろそろ起きれば?」
と、声をかけると肩がぴくりと震えたから
起きていたらしい
「シバ?」
『……、』
様子がおかしい、と布団を剥ぐが
特に漏れ出ている感じもない
「シバ?おねしょしなかった?」
『……出た、』
「外してやるからシャワー浴びてこい」
と、シバのおむつ替えセット
バスタオルを出してベッドの上に敷く
いつもならバスタオルを敷くとすんなり寝るのに
シバは戸惑うようにおずおずと、そこに寝た
『なぁ、…おれ、寝る前にちゃんと言ったからな?』
と、謎の言葉
「は?なんの事だ?」
寝る前、何か話してたっけ、と思いながらスウェットを脱がせ
ぷっくりと膨らんだおむつを晒す
うん、今日もよく出てるな
と、本来するべきでは無い関心をして
テープに手をかけると
シバの手が俺の手を掴む
『自分で、』
「なんだよ、今更。いいって」
と、その手を無視してテープを剥がし前を開く
すると、
むわ、といつもの匂いと違う雄の匂い
中を見ると
薄黄色に染まって膨らんだ紙の上に
白い、ドロっとした物がかかり、
シバの性器と糸を引いていた
粘度がありおむつに吸収されなかったであろうそれ
シバのおかしな態度の理由がようやく分かる
そして、先程の言葉の意味
寝る前に言ったって事も分かった
「どうした?自分でやったか?」
『ち、違う、起きたらでてた、』
「なるほどな。こっちもおねしょしちゃったのね」
と、言うとシバの顔が真っ赤に染まる
『そ、そういうこと、いうな』
「あー、わるいわるい」
と、おしりふきで軽く拭いてやる
「ほら、シャワー浴びてこい。間に合わなくなるぞ、教習所」
『…やってくれんじゃねえの?』
「…時間ねえだろ。夜だよ夜。帰ってきたらやってやるから」
『…解せない』
「なんでだよ、時間ねえんだから仕方ねぇだろ。それにもう出てんだからいいだろ」
『デリカシーねえなあ、お前』
いや、そんな言葉お前が知ってるとか初耳だわ
『じゃあ帰ってきたらだからな。約束』
「あー、わかったわかった。早くシャワー浴びに行けって」
と、シバはようやく納得してシャワーに向かった
というか、今日帰ったらやってやるのか、
勢いで約束しちまったが…
夜には忘れててくんねえかな
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