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第63話
別に、我慢できないくらいじゃなかったのに
家を出る直前、
………漏らしてしまった
もう家出なきゃ行けない時間なのに、と
結構ショックだった
飯を食う時間はあるとは言うけど
やっぱりあんまり時間なさそうだったから
何を食いたいか聞かれて
うどんを選んだ
うどんならすぐ食えるし、駅ナカにあるし
うどんを食ったら
夕飯用に駅で弁当を買ってくれた
「シバ、おしっこ大丈夫?でねえ?」
『大丈夫だって、でねえ』
「そうか、」
と、駅のホームまでお見送りをして
電車に乗る直前にあいつはもう一度確認してきた
大袈裟だった
たかが1泊、
あいつは仕事で深夜というか朝方に帰ってくることだってたまにある
フルタイムで働く前は
ほぼ一日家で1人で留守番してたことだってしょっちゅうある
そもそも子どもじゃないし。
それに、
俺だって明日は仕事だし
大袈裟だ、
心配しすぎだろ
「シバ、今日の夜一応おむつ履いて寝ろよ?あ、1人でおむつ履けるか」
『履ける、それぐらい』
「夜電話するから、出ろよ」
『いいって、いちいち』
「出ろよ」
『わかったって』
と、いうと
もう電車の時間で
電車の目の前まで送って手を振る
「じゃあ、行ってくるな」
『うん。またあした』
と、間もなく電車のドアは閉まって
タクシー乗れって言われたけど
まだ時間も早いから電車で帰ることにして
1000円だけチャージした
心配だから駅で一応トイレ行っておいて
一応履いておいたおむつは使う事がなかった
家に帰ってもやることがなくて
ごろごろと寝ながらテレビを付ける
なんだよ、俺休みの日に出張行くことないのに
……いや、別に今更だった
今更1人で留守番なんて慣れているはずなのに
最近は俺も普通に働いているせいか
1人で家にいる時間は少なくなっていた
そのせいだろう
そのせいで
無性に寂しく感じる
テレビを見ていてもなんにも頭に入ってこなくて
寝よ、とテレビを付けたまま
昼寝をした
◇◆
目を覚ますと
21時くらいで
腹が減っていた
んん、よく寝た、めっちゃ寝たと伸びをした時に気付いた
おしっこしたい、
そう気付いた次の瞬間
何故かじゅわわ、と下半身があったかくなって
身体が勝手におしっこを出し始めていた
『っぁ、』
なんで、と
きゅ、とちんぽの先っぽを抑えるけど
1度出始めたものは止まらなくて
なすすべなくそのままおむつしょわわわ、と全部出してしまう
むかつく、なんで勝手に出るんだよ、
こんな汚したの、どうやって片付ければいいかわかんないし
あいついっつもどうしてたっけ、と思いながら
適当に脱いでコンビニの袋に入れて口を縛った
腹減ってんのに
下半身は湿っていて
とりあえず先に風呂入っちゃわなきゃ、と下半身裸のまま風呂に向かって
1人だから風呂も沸かしてなくて
シャワーで頭とか身体とか
全身キレイにするだけ洗ってすぐに風呂から出る
風呂から出ると
着替えを用意していない事に気づいて
家帰ってからの短い時間しか着てないからいいや、と
下着は履かずに
素肌にさっきまで着ていたスウェットを着てリビングに戻る
飯、くお、と
駅で買ってもらった弁当の封を開ける
弁当を食いながら
携帯を確認してみたが
あいつからの連絡はまだ入ってない
電話するって言ってたのに
なんだよ、忘れてんのかよ
と、1人で悪態を着きながら
つけっぱなしのテレビのチャンネルを変える
もう、さっさと寝よ
弁当を食い終わったらちゃんと歯も磨いて
テレビとか電気もちゃんと消して
寝室に向かった
べつに、1人でも出来るし
と、ごろっとベッドに横になると
ベッドが無駄に広くてムカついて
あいつの枕に抱きついた
『んん、』
あいつの匂いする
寝ようと思ってこっちに来たのに
さっきまで寝ていたせいで眠れなくて
オナニーして疲れたら眠れるかな、と
スウェットの中に手を突っ込む
…そう言えば下着履いてなかったな、
あいつ、一応おむつ履いて寝ろって言ってたよな
まぁいいや、オナニーした後で。
どうせオナニー中は脱ぐし
こすこすとちんぽを扱く
しばらく扱いていると
芯を持って硬くなったけど
なんとなくイクほどじゃない気がして
ずる、とスウェットを脚から抜いて
更に強く扱く
けど、まだ何か物足りない、と
空いている手を口元に持っていく
口が寂しかったけど
指ちゅぱちゅぱすんの恥ずかしいから、
べちょべちょにして
乳首弄ろ、と
乳首いじる為に舐めるだけだし、と
口の中に指を入れ
涎をつけるように
れろ、と指を舐める
その時に、思い出してしまった
あいつがおれの口に指を突っ込んだ時の事を
べろ、くにゅくにゅ挟まれたり
口の中こすこす擦られたり、
と、考えていたら
指が勝手にあいつの手の動きの真似をして
べろをくにゅくにゅと挟む
おれはちゅぱちゅぱとだらしなくその指を吸ってしまう
はずかしい、こんなの、
はずかしいのに
ちゅぱちゅぱしてると
なんだか落ち着くような
気持ちいいような
よくわかんない気分になって
ちんぽを擦る手も早くなる
『んむっ、ふっ、んんん、』
いけそう、そろそろ
とより一層手を速めた時だ
枕元に置いていた
携帯が大きな音をならしてビクッと肩が跳ねた
『ん、だよ、』
と、涎でべしょべしょになっていた手を適当にスウェットで拭いて携帯を手に取ると
『あ、……もしもし』
ディスプレイには
あいつの番号
そして
飼い主
という文字が表示されていて
急いで出る
「おー、シバ。電話遅くなってわるい、寝てたか?」
『んーん、起きてた』
「何してた?」
『……べつに、』
「飯食った?」
『食ったよ』
「風呂は?」
『シャワーした』
「髪ちゃんと乾かしたか?」
『もう乾いた』
「たく、乾かせよ。で、おむつちゃんと履けたか?」
『……まだ履いてない』
「シバ、今どこにいんの」
『え、寝室だけど』
「じゃあベッドの下にあるからおむつ出して」
『ええ、』
「わがまま言うならおむつ履いた写真送るまで寝させねえけど」
『……履くから、ちゃんと』
と、渋々
ベッドの下のケースからおむつを取り出して脚を通すけど
太ももまで通した辺りで勃起している事を思い出す
これじゃあ履けないし、と
もう一度、ちんぽを掴んで
こしゅこしゅと上下する
「シバ、履けた?」
『ん、っ…うん、履いてる』
「そうか?」
『ねえ、…っ、おんせん、入った?』
「あぁ、せっかくだから入ったぞ。お前の温泉饅頭も買った」
『そっか、…っ、』
と、できるだけ変な声が出ないように普通に話してるように息に気をつける
「今度仕事じゃなくて一緒にいこうか、休み取って」
『んっ、うん、』
「シバ?」
と、電話の向こうであいつの声が聞こえて
耳に入ってくるのが心地よくて
まだ電話は切りたくない
『な、に?』
「明日、アラームセットした?」
『ん、っした、もうした』
「そっか、」
先っぽ、とろとろになってきた、と
親指でくるくると先っぽを弄るとぬちゃ、と糸を引いた
両手でごしごししたいけど
あいつの声を聞きたいから電話を離したくなくて
「シバ、」
『っ、なに、』
「明日、そんな早くは帰れねえから夜も飯、食っとけよ」
『ん、っ、わかった、っ、』
遅くなんのかよ、とちょっとむかついた、
「シバ、明日朝、会社行く前電話して」
『っ、わか、っ、た』
名前、
俺の名前
いっぱい呼んでくれてる
もっと呼んで欲しい、
電話越しだけど
耳元のすぐ近くでなまえを呼んでくれる、
「シバ、」
『んっ、な、に?』
「何してんの?」
『っんん、な、んにも、』
「なんもしてねえの?」
『してな、ぃ、っ』
なんもしてない、
そう言っているのに
もう手は止まらなくて
さっきだって寸止めされていたのだ
我慢なんてできなくて
1番気持ちいい所をぬりゅぬりゅと擦る
「シバ、」
『っぁ、』
わかってんじゃないかってくらいあいつは俺のなまえを呼ぶ
『なまえ、っ』
「シバ………なに、祈織?」
と、電話から
あいつの声で、
おれの、なまえが聞こえた
その瞬間
背筋がビリビリってして
『っぁ、ぅぁ、』
手が止まらなくなって
びゅるっと白いものが噴き出した
「どうした?シバ」
『っはぁ、おまえが、』
「俺が?」
『おれの名前、呼ぶから……はぁ、っんん、』
「呼んじゃいけねえの?」
『イッちゃったじゃん、っ、ばか』
「シバ、電話しながらオナニーしてたのか?…悪い子だな」
『おまえが、置いてくからだろ、』
「ごめんて、シバ、許して?」
『はやく、かえってこい、ばか』
「うん、明日仕事終わったらすぐ帰っから」
と、言われたけど
どうせ、遅くなるんだろ
知ってるし、
と、ティッシュで手を拭いて
おむつを上まで上げた
『約束』
「あぁ、約束な。だからシバ、電話しながらオナニーして精液でドロドロになったちんぽ写真撮って送って」
『やだ、バカじゃねえの』
「んだよ、ケチ」
『ケチじゃねえし、変態』
「…シバ」
『なに、』
「ちゅーして」
『は?』
「俺にキスして」
『どうやってだよ。はずかしいことさせんな』
「シバ」
『な、に?』
「おやすみ。また明日な」
『…おやすみ』
と、いうと電話が切れる直前
ちゅ、と短い音が聞こえて顔が熱くなった
なに、はずかしいことしてんだよ…
寝よ、と毛布を被って
枕に抱きついてあいつの匂いを嗅いだ
このベッド、広すぎて寝にくいんだよバカ
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