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第71話

ぶっ続けでドラマを3本くらい見て さすがにつかれた 後ちょっとで今見てるのがエンディングで んんん、と伸びをすると あいつも立ち上がって伸びをしたからソファに置いてけぼりにされる 「晩飯どうする、シバ」 『作って』 「なんか食いたいものあるの?」 『んんん、かれー』 「お前カレー好きな」 『俺も一緒につくるし』 ご飯炊くの手伝えるし ごろん、とソファで転がりながら 手伝いに行こうかな、と考えた時だ お腹の下の方の膀胱の辺りが ぷくぷくしていて おしっこしたくなっている事に気付く トイレ行かなきゃ さっき、……失敗したから、 と、思いながらも ゴロゴロとソファで起き上がれないでいた だるいなあ、トイレ行かなきゃなあ、 さっき失敗して、おむつ履いてるんだし…… でも、まだ、そんな行きたくないし、 このドラマのエンディング終わったら行こう、と決めた時だ しゅわわわ、と 何故か下半身があったかくなる 『ん、?』 なんだ、と一瞬わからなかったけど すぐにわかって固まってしまう おしっこ、出ちゃってる、 なんで、と急いで自分の中心を抑えたけど 1度出始めたものは止まらなくて 手のひらの中で ジャアジャアと勢いよく水を零し おむつに吸われていく 『っ、っ、』 でちゃった、 どうしよう、出てる、 おしっこ、いっぱい溜まってた ぶる、と身体が震えて 全部出てしまったことがわかる おむつの中が おれが漏らしたおしっこ吸ってもこもこしてる、 じっとりしてる 座ってても 不自然に股間の辺りがモコモコしてしまっていて スウェット履いててもおもらししちゃったんだってわかる どうしよう、 あいつ さっき漏らした時 ちゃんとトイレ行けって言ったのに 後回しにしてまた漏らしてしまった しかも、 ちょっと行きたいくらいだったのに 勝手に身体が出して、 「シバー、ドラマ終わったら野菜洗いに来いよー」 と、一足先にキッチンに行って そこから声をかけられビクッとしてしまう どうしよう、 言わなきゃ おしっこ、漏らしちゃったからおむつ替えてって そんな恥ずかしいこと、言いたくないのに 寝てる時だったらまだしも、 起きていたのに さっきだって失敗したのに、 またおもらししたなんて、きっと怒られる、 「シバー?」 『…ぁ、う、ん』 と、とりあえず返事だけはするけど おれの頭の中は どうしようどうしようとぐるぐるしていた 言ったら、怒られるかも でも、言わなかったら ずっとこの濡れた気持ち悪いおむつ履いたままになるって事だった 「シバ、終わった?」 『………、やっぱりかれーやめる。食わない、おれ寝るから』 と、とりあえず寝室に逃げようと考えた 寝室ならベッドのところに新しいおむつもあるし 「シバ?どうした?具合悪い?」 『わるくねえけど、』 と、もこもこになってるお尻を見られないように ゆっくりと立ち上がって そっと歩く 『平気だから!』 と、言い残し 足早に寝室に逃げ込む バタン、とドアを閉め はぁ、とため息を吐いた 急がなきゃ、と ベッドの下から おむつとか色々入った箱を引っ張りだし、 とりあえずこの濡れて気持ち悪いおむつ脱ごう、とスウェットを脱ぎ捨て さっさとおむつの横を破って外して 床に落とすと ボトッと水分を吸って重たい音がした おしりもちんぽもびしょ濡れで気持ち悪い、と おしりふきを数枚出して拭う 箱の中から黒いビニール袋を取り出して おしっこいっぱい吸ってるおむつと 今使ったおしりふきを捨ててぎゅっと結ぶ よし、あとは新しいおむつ、と おむつを取り出して開いた時だ 『んんん、』 これは、 俺の嫌いな、テープで貼られる 赤ちゃんみたいなおむつだ ちがうやつ、 ちゃんと履くやつ、と箱の中をゴソゴソするけど この中にはテープのやつしかなくて どうしよう、と途方に暮れる その時だ 「シバー、飯本当にやめんの?」 と、リビングの方から声が聞こえて ビクッとした このままだったら、いずれバレる、 お風呂に入る時間まで 誤魔化せばいいんだ、と とりあえずそのままスウェットを履いて おむつの箱は元に戻し、 おれが汚したおむつを入れた袋は バレないように ゴミ箱に捨てて上からティッシュを何枚か被せて隠しておく よし、完璧、と リビングに戻る 「シバ、寝んの?作んねえの、カレー。俺もう口がカレーだから作るけど」 『えっと、おれもつくる、米炊く』 と、手を洗って カレー作りに参加する事にした 『おれ、なにする?』 「まず米炊いといて。その後人参、洗って皮むける?」 『皮むき、』 「そこに皮むくやつあるから。手気をつけろよ」 と、とても難易度の高そうな事を言われたが とりあえず得意な米、と 無洗米を炊飯器に入れて ちゃんとカップで水を計って入れて、無洗米スイッチを押す 『かわむき、』 と、本番はこれからだ とりあえず手でちゃんと人参を洗って 言われた通りよくわかんない道具を持って人参に当てる これ、みなちゃんが使ってんの見たことあるし と、やってみたら 予想以上に切れ味が良くて怖くて 少しずつ剥いていく 「お、シバ上手。手、気をつけて」 『わかってる、』 と、細心の注意を払って どうにか人参のかわむきが出来て 人参を渡す 「シバ、すげえじゃん。剥けんじゃん」 『みなちゃんやってんの見たことあるし。これぐらい』 「シバすげえなあ。えらいぞー、」 ほめすぎだろって思ったけど でも、こいつが喜んでんなら悪くない、 「シバ、じゃあ次、じゃがいも水に浸けといて」 『うん』 と、前回カレー作った時の事を思い出して 器に入れてじゃがいもに水をかける おれだってやればできる、 知らないだけで。教えてくれれば多分カレーだってそのうち作れるようになるし 「シバありがとなー。じゃあ俺が人参切る間、これ焦げないように混ぜといて」 『うん』 と、鍋の中を言われたとおりぐるぐるとする 玉ねぎと肉が入ってる 焦げないようにが難しいし 意外に腕が疲れる、これ 『なぁ、まだ?』 「もうちょい」 『うでいたい、まだ?』 「よし、シバ貸して」 と、ようやく変わってくれて あとは大人しくしてていいと言われて キッチンの前に回って 食卓の方から覗き込む 「今日はシバがいっぱい手伝ってくれたから早くできるな」 『これぐらい、おれだってできるし』 「シバ、ありがとな」 と、鍋に色々入れて 蓋して あとは煮込むだけ、と おれの隣に来て頭を撫でてくれた ふーん、こんなことで喜ぶんだ、こいつ

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