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第79話

どうやらシバは反抗期じゃなかったらしい 俺のことを考えての行動だったようで あれ以来 あの布団は使ってない。 おれいないと寝れねえんだろ? 一緒に寝てやるよ と、シバは生意気に嬉しそうにベッドに入ってくる シバのおねしょはあの後2日くらいでどうにか収まって 朝から夜までおねしょせずにぐっすり寝れるようになった 今日は俺だけ仕事で 寝起きの悪いシバを置いてさっさと準備をした 『んんん、どっかいくの、』 と、シバは目を擦りながら起きてきて ソファに座る 「どっかって仕事」 『おれは、…』 「お前今日休みだろー」 『そうだっけ、』 と、まだ眠そうにそのまま俺の後ろに着いてきて 後ろから首に腕を回して おんぶ、とくっついてくる じゃまだな 「シバ、俺準備してんだけど」 『んんん、おれもいこうかな』 「なんで、」 『いっしょにいたいー、んんん、やだー、いくな』 「なに、どうした?」 『んんん、なぁー』 「なに?甘えたい気分なの?」 『まだおれ寝てたいんだけどー』 「いいだろ、寝てれば」 と、寝ぼけているだけだと気付き せっかく起きたならトイレ行かせとこ、と そのままシバを引きずって トイレに向かう 『なに?んん、トイレ?』 と、認識したからから 少し脚をもじり、と動かしたシバ お、これは出るやつだ 「シバ、おしっこしとこ」 と、シバをトイレの前に立たせて スウェットと下着をまとめて下ろし 先っぽを便器に向けてやる 『なに、?』 「ほら、おしっこ」 『んん、や、みないで、』 「じゃあ見ないから。しな」 『んん、や、』 と、シバも顔を逸らし 駄々を捏ねるから 先っぽをスリスリ、と少しだけくすぐる そして、 「シバ、おしっこしていいぞ」 と、耳元で言うと ぷしゃ、とおしっこが吹き出し すぐにしょろしょろと排泄し始め 勢いを増しジャアジャアと音を立てる 結構勢いがある所を見るとだいぶ溜まっていたのだろう 量も多いのか中々終わらなかったが じょじょに勢いを落としていく よし、出たな これで二度寝しても安心だ 『っぁ、でちゃ、っんん、おしっこ、でた、』 「シバえらいなー。トイレでちゃんとできたな」 『ばかに、んん、すんな、ぁ、』 「バカにしてねえよ?褒めてんだよ。ほら、全部でた?」 と、トイレにちょろちょろと全て出し終え おしっこが止まったタイミングで ぴっぴっ、と振って 2回ほどしこしこと擦ってやる 『でた、なんで、見んだよ』 「シバがおしっこしてるとこ見るの好きだからだろ」 『へんたいじゃねえか』 「口が悪い」 と、シバのちんぽをしまってやって 先に手を洗いに戻るとシバは着いてくる 『なんでおれがおしっこしてるとこ見たいの?』 「だってちゃんとトイレですればお前もおもらししなくて嫌じゃないだろ?」 『……しねえもん、おもらし』 「しねえならいいけど」 と、手を洗ってる間もシバはずっと俺の後ろをうろうろとする 「ほら、眠いんだったら寝てろよ」 『んんん、ねむいけど』 と、言いながら歯を磨く俺の足元に寝転がる 「シバ、こんな所で寝るなって」 と、腕を引っ張って起こすと 嫌そうに眉間にシワを寄せる 「あっち、座ってろ」 と、いうと のろのろと歩いてリビングに向かうから おそらくちゃんとソファに座ってるだろう ちょっと意外に時間ねえな、と 急いで着替える 「シバ、朝飯どうする?適当に家で有るもんで済ますか、そこら辺なら一緒に食くか」 『適当にくうから大丈夫』 と、ようやく目が覚めて来たのか真面目に答えたシバ シバが家で食うならおれも適当に食ってくかな、と冷蔵庫を開けて ベーコンエッグとトーストでいいや、と 適当に作る 「シバ、今食う?後で食う?」 『もーちょいしたら食う』 「野菜ジュースも一緒に飲めよ」 と、伝えシバに後は好きにさせる事にし そんな時間ねえな、と おれも急いで着替えようと クローゼットに向かおうとするが 『あ』 と、不意にシバの声がする 「シバ?なんかあった?」 『んんん、』 と、なんも言わないから なんだ、とリビングを覗くと 何やら顔を抑えて蹲るシバ 「え、なに、どうした?吐く?」 と、シバに駆け寄ると シバは何にも言わなくて そして、 手の間からポタリ、と赤い液体が落ちた 「あ?なに、鼻血?」 『んんん、はなぢ、』 と、めんどくさがって 鼻をつまんで上を向くから そんなん鼻血飲むだろ、と すぐにティッシュを鼻に当て 下を向くように頭を支えてやる 「シバ、ほら。こうやって大人しくして」 『んんん、むんん、』 と、煩わしそうに唸る 『な、に』 と、鼻を抑えられたまま変な声でいう 「体調悪い?」 と、聞くと 首を横に振るが 『や、もうやだ、』 と、テンションはだだ下がりだ 「座って。大人しくしねえと止まんねえよ」 『なんであさから、』 そんなん、こっちのセリフだけどな ちょっとこれ遅刻かもな、と思いつつシバと鼻血が止まるのを待つ 「どう、止まった?」 『わかんね、』 と、1度手を離すとどうやら止まったらしく うん、とうなずく 「よし、じゃあそこな座って大人しくしとけよ」 『もう大丈夫』 「大丈夫でもすぐ暴れたらまた出るだろ」 『そんな暴れねえし』 と、言いながら シバはすぐに手と顔を洗いに向かった 「体調悪くねえ?大丈夫?」 と、もう一度一応確認すると シバはけろっとしていて 大丈夫そうだな、これは 「じゃあ俺もう仕事行くけど大丈夫?」 と、一応確認 『んー。行ってらっしゃい』 と、機嫌もどうやら落ち着いた かなりバタついたな、今朝 朝飯外で食えばよかった、と 少し後悔しつつ 急いで着替えて会社に向かった ◇◆ 「おはようございます」 と、社長室でヤナギがお茶を出してくれる 「おう、悪い、ギリギリになったな」 と、さっさと仕事を始めようと準備を始める 「いえ、なんかありました?」 「家出る時にシバが鼻血出してな…ちょっとバタついただけ」 「ええ、シバくん大丈夫ですか?」 「平気平気。体調悪くねえって言ってたし。家出る頃にはけろっとしてた。トイレも行かせてきたから二度寝してもおねしょしね……そんな事より」 あぶねえあぶねえ、と 口を塞ぎ直ぐに話題を変える 「ええ、午後の会議の資料だけど」 「……えぇ、昨日の確認したやつ」 「あー、あれな。価格をちょっと見直したんだけどっと、」 と、パソコンを出そうとカバンを開く パソコンがねえ…… と、このタイミングで気付き絶望した 持って帰ったんだったー 朝バタついて忘れてきた…… 「社長?」 「……悪い、パソコン忘れてきた。午後に使うやつだから昼に1回取りに帰るわ」 「ええ、珍しい。社長、お疲れっすね」 「な、疲れてんのかも」 「じゃあ午後イチで資料貰えれば大丈夫っす」 「悪いな…」 いや、まじ俺何やってんだ ちょっと今日は家帰ったらゆっくり休むか…… と、明日は午前休にしようと、頭の端っこで考えた その時だ シバから電話がかかってきた なんだ、やっぱり体調悪くなったとか、 と、不安になり 直ぐに出る 「シバ、どうした?」 『おれさー、朝飯食ってんだけど』 と、何ともない調子で喋るシバ 体調悪くなったとかじゃねえな、これ 「うん、それで?」 『お前パソコン忘れてるよ。机の上に』 「……そうだよ、今気づいたとこ。昼に取りに帰るわ」 『そっか』 「うん、じゃあ仕事するから」 と、電話を切ろうとするが 『なぁ、』 と、シバの声で 1度待つ 「なに」 『おれ、昼休みに持ってこうか?』 「いや、…いいの?」 『うん。どうせ暇だし。電車で行く』 「えええ、シバそれ助かる。頼む」 『うん』 と、シバはなんとなくご機嫌に返事をする 「じゃあ昼飯も一緒に食おうな。14時までに持ってきてくれればいいから、昼過ぎ頃来れそうな時間わかったら後で連絡して」 『わかった。じゃあなー』 と、電話を切るシバ なんだよ、シバー すげえ気が利くじゃん、と 朝バタついた理由も忘れて シバの気の利きようにほっこりとして 仕事を開始した

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