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第84話

なんだよ、急に仮眠室とか訳わかんねぇ しかもメールも返ってこなくなり 心配になり会社まで来てしまった 仮眠室の記録をチェックして シバがいるであろう部屋に向かうと 途中で足音がして止まる 「シバ?」 『…なんでいんの?』 「なんでって、お前がメール返さないからだろ」 と、そこまで言って シバの下半身が濡れている事に気付く そして、泣いている 「どうした?おもらしか?」 『……あきらくんにいじめられた』 と、シバはグイグイと涙を拭いながら言うから よしよし、と頭を撫でてやる 「シャワー浴びて帰ろ、シバ」 こくん、とうなずいたのを確認しそのままシャワー室まで引っ張っていく ついでに全身洗ってやろうと スウェットは上下ともに脱がせることにし、 下を脱がせたら 下着を付けていなかったことに気付く 「シバ、パンツどうしたの?」 『おむつ、履いてたの…汚されたから捨ててきた』 なにそれ、とさっさとシバの身体にシャワーをかけていく 「あきらくんに何されたの?」 『あきらくんが…』 「うん、」 『おしっこしたいっていって、』 「それで?」 『おれがおむつ履いてたから、その中におしっこされた』 「は?なに、それ」 ちょっと何を言ってるのか 理解できなかった 『おれの、おむつ、下げて、ちんぽ突っ込んで、その中にジャアってした』 と、ぐすぐすと泣き始めたシバ いや、本当になにやってんだ、それ 『あきらくんにおしっこかけられたら、おれも漏れた』 だからあんなびしょ濡れで歩き回ってたのか シバはどちらかと言えば頻尿で出す量が少ない。 膀胱に溜めておける量が少ないからよくおもらしをするんだろうけど、量が少ないからおむつの許容量を超えることは滅多に無いのだ。 おむつ履いていたと言っていた割りには今回はスウェットまで濡らしていたからおかしいと思っていたからそういうことか ぐすぐすと泣くシバの頭を撫でてやる 「シバ、なんでそんな事させんの」 『嫌って言ったのにあきらくんが勝手にした』 と、泣いていて、ため息を吐く はっきり言っていい気分ではない ただシバもまさかそんな事されるなんて思ってもなかったようでショックを受けて泣いてるし あきらくんも悪い子じゃないがイタズラが過ぎるところがある あとはシバがちょっと危機感足りなすぎんだよな 「シバ。キレイにしてやるから泣くの終わりな?」 と、シバの身体を手で洗ってやると 不意にシバが自分の中心を掴む 「なに、」 『おしっこ、まだ出る、』 と、さっき排泄しきれなかったらしく シャワーの水音のせいか再び催したらしいシバにため息を吐き ちんぽを持って排水口に向けてやる 「ほら、どうせ我慢出来ないからここでしな」 『やだ、』 と、言う割にはすぐにちょろちょろと漏らし始め、ふぅ、と息を吐く 出し切る様にこしゅこしゅ、と数回扱いてやると最後にちょろっとこぼれ ぷるっと震えた 「全部でたな」 と、さっさとそれをシャワーで流しもう一度身体を洗ってやり タオルで拭いて 泣いていてめんどくさいからおむつをつけて 服を着せる あー、また俺甘やかしてる 『おれ、仮眠室に携帯とか全部置いてきたから取りに行ってくる』 「俺がいってくるから。お前エレベーターの所で先に待ってろ」 『なんで?』 「いいから」 と、シバをエレベーターのところで待たせ 仮眠室に向かう ここだな、と仮眠室のチェックが入っていた部屋に来てドアを開ける 「あー、いおりんおかえ………あー、いおりんの飼い主の」 「あいつの荷物は?」 「ベッドの下のとこ」 と、言われたとおり ベッドに散らばっていたシバの荷物とハンガーに掛けていたスーツを回収する 「いおりん帰っちゃうんですか?」 「ああ」 「なんだ、つまんない」 「あきらくん、」 「なに、社長」 「あいつ泣いてたからもうあぁいう事しないでやって」 「あれ?聞いちゃった?」 と、飄々というあきらくん 「うん。あいつ俺のだから。ちょっかい出さないで」 「……ふーん、ごめんなさい」 「うん。じゃあまたよろしくね」 と、あきらくんにもちょっとだけ釘を指し シバの元に戻ると シバは泣き止んだは良いが 座ってウトウトしていた もうすぐ2時だしな… 「シバ、帰ろ」 『うん』 と、目を擦って立ち上がるから 腕を引いてエレベーターに乗せ 車に向かう 「お前しばらくあきらくんの送迎禁止な」 『なんで?』 「あきらくんシバにちょっかい出すから」 『うん』 と、こんな独占欲丸出しの事を言ったのに シバはなんにも拒否せずにうなずくから 少しだけほっとする 車に乗って走らせると シバはずっと黙ってて 寝てるとおもったがどうやら起きているらしい そして不意に口を開いた 『なぁ、おれ、仮眠室に泊まったりできるよ。今日はあきらくんに虐められて泣いたけど』 「なんで?」 なんで、迎えに行くからわざわざ仮眠室なんて狭いベッドで寝る必要なんてないのに 『だって、おれだって、仮眠室に泊まったりくらいできるし』 「でもシバおねしょするかもだろ。どうすんの、ベッドびしょびしょにしたら」 『……しねえもん』 ふん、とシバは窓の外を向いた ちょっと意地悪な言い方をしてしまった 「シバ、帰ったらさっさと寝よ」 『うん、疲れた』 と、信号待ちのタイミングでシバの頭を撫でる 『なぁ、』 「なに?」 『ごめんなさい』 「……なんの謝罪?」 『あきらくんに、いじわるされたやつ』 「なんで俺に謝んの?」 『お前が、機嫌悪いから』 「………別に悪くねえよ」 と、シバには言ったが シバにバレる程とか案外俺も怒っていたらしいと気付く 『ごめんね。おれも、気を付ける』 「…シバ、ありがとうな」 『なんのお礼だよ』 「いいだろべつに」 と、早く家に帰りたくなって シバの顔を見ずに前だけ見て答えた 恥ずかしいんだな、こういう 余裕ない所見られんのって

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