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第86話

『ヤナギさんがこれ』 と、ひょっこりと社長室に顔を出したシバ 「おー、書類?ありがとな」 と、それを受け取り目を通す 朝は具合悪そうにしていたが 仕事が始まったら 気が紛れたのか案外普通にしていて おむつを替えに来ないところを見ると おもらしもしてないようだ 「シバ、ちょっとだけおいで」 と、書類チェックの間だけ シバを膝の上に乗せる 座った感じ おむつはもこもこしてねえから隠してるわけでもねえな 『なに?』 「なにって、ちょっと抱っこしたかっただけ」 『変なやつ』 背中を向けて乗ってきたから よしよし、と太ももの当たりを撫でながら書類に目を通す 書類も問題ねえな、と 印鑑を押そうとした時だ 『あ、』 と、シバが小さく声を漏らす 「なに、」 『んんん、』 「え、なに」 と、シバの顔を覗き込むと きゅ、と鼻を抑えていて 「鼻血か!?」 と、聞くと こくこく、と頷く 『んんん、』 ティッシュ、と手を伸ばしティッシュを取ってシバに渡すとすぐにそれで鼻を抑える 「大丈夫か?」 『んんー、』 と、また上を向こうとするから 頭を抑えて下を向かせてやる 『んんん、やら、んん、』 「あー、なんで鼻血出るかね」 と、シバをソファに移動させ大人しく座らせる 『んん、おこんないれ』 「怒ってねえよ」 ほら、おいで、と シバを膝の上に乗せ 背中を撫でてやると また んんん、と泣きそうな声で唸る 『ぐす、っ』 「ほら、泣くなよ。余計止まらなくなるぞ」 『らって、』 泣いたせいか 鼻血は止まらなく どんどんティッシュを赤く染めるから 追加でティッシュを鼻に当ててやる その時に シバの首筋がしっとりと汗ばんでいる事に気付く 「暑い?」 『ちょっとあちゅい、』 と、鼻を摘んでいるせいで だせえ喋り方になっていて笑いそうになったが また泣きそうだから我慢する 「ちょっと逆上せたのかもな」 と、ぐしゃぐしゃと頭を撫でると 生え際にもうっすら汗をかいているのがわかる タオルを取って おでこや首筋の汗を拭いてやる 「ちょっと冷やそうな」 と、シバをソファに下ろすと 不安な顔をするから どこも行かねえよ、と笑ってやる 「ほら、」 と、ウォーターサーバーでタオルを濡らして 首筋に当てると 少し気持ちよさそうな顔をした 「シバ。鼻血止まったら帰るか」 『なんれ?』 「お前調子悪そうだし。フレックスだよフレックス」 『ふれっくす、』 ぽつりと呟き大人しくなり 『止まった、』 と、ティッシュを離して確認する 「ちょっと大人しくしたら帰ろうな」 と、ちょっと見せて、と 鼻の中を覗き込み 止まってることを確認して 頭を撫でてやる タオルで冷やしてんのもあって だいぶ落ち着いてきたかもな しかし、 「何か勃ってね?」 と、シバの股間がこんもりと盛り上がってる事に気付いてすりすり、と少しだけさわってみる 勃ってんなこれ 『お前が、』 「俺?」 『ベタベタ触るから』 「そんな触ってたか?つか今更だろ、そんなん」 『そうだけど』 と、逆上せたせいで勃ってんのかと思ったけど チラッと今朝ヤナギの言った発情期、と言う単語が脳裏をよぎる いや、まさか 抜いてやろうかとも思ったが さっき鼻血出したばっかりだからな 興奮したらまた鼻血出るかも、と 少しだけすりすりしていた手を離す 『んんん、気持ちよくしてくんねえの?』 「今したらまた鼻血出るだろ」 『やだ、気持ちよくして欲しくなった。お前が触るから』 「シバ、もうちょい我慢しよ。家でした方がお前もいいだろ?」 『………だって、もう勃っちゃったから収まらない』 「じゃあやっぱり帰ろうな。さっさと帰って家で気持ちよくしよ、シバ」 『やだ、しごともどる、んん、やだ、』 「仕事戻るって勃起してんじゃん、お前」 『だから気持ちよくして』 「やだ、家ですんの。だから帰ろ」 と、すぐに気持ちよくなって仕事に戻りたいシバと 家でじっくり気持ちよくしてやりたい俺で対立してしまい シバはぐずり出してしまった もうこんなぐずってたらどっちにしろ仕事になんて戻せねえだろ また鼻血も出しそうだし 「……シバ、だっこ」 と、手を広げると 抱きついてきたから よっこいせ、と持ち上げる 「抱っこして帰ろ」 『やだ、』 「やじゃねえよ。フレックスだからいいの」 『なに、ふれっくすって』 「……お前フレックス知らなかったのか?」 『うん、』 と、少し落ち着いてきたシバの背中をなでなでして落ち着かせながらさり気なく社長室からでてエレベーターに向かう シバの荷物置きっぱなしだけどいいや。 勃起してたら取りに行かせらんねえし 「月に決まった分の時間働けばいいんだよ。だからその範囲で相殺していい、遅刻も残業も早退も」 『よくわかんね』 「給料日前にまた詳しく説明してやるから」 と、エレベーターまできて ようやくシバは降りる、と 抱っこをやめた 重かった こいつなんかでかくなったろ… 『んんん、ちんぽむずむずする、』 と、エレベーター待ちの間に服の上から少し自分の物を触るシバ 「シバ、我慢」 『だって、』 帰ることに納得したら我慢出来なくなってきているのであろう 『んんん、もうやだ、』 「シバー、家でいっぱいしよ」 シバも我慢しようとしているのか ふぅ、と熱い息を吐いてネクタイを緩める おお、えっろ 『んんん、なんかおしっこ漏れそうなきもする』 「は?なに、いきなり」 『なんかむずむずしすぎてどっちかわかんね』 「ええ、どっち?トイレ行くか?」 エロい顔してんのに 子供みたいにおしっこ漏れそうって アンバラス過ぎんだろ 「お腹触らせて」 『なんで?』 「おしっこ、出るか出ねえか」 『わかんの?』 「いいだろ、ちょっとくらい」 おいで、とエレベーターに乗り 後ろからシバの身体を抱き抱える そして、そのまま手を回し 下腹当たりを撫でる そんな張ってる感じはねえな これはおしっこじゃなくてただ単にムラムラか 『なぁ、ちょっとだけ……キスして』 と、振り向き とろん、とした目で俺の事を見る 「ちょっとだけな、」 と、顎に手をかけ少し上を向かせ えっろい顔、とそのままキスをすると 『っふ、んん、ぁっ、』 と、全身ぶるぶる震わせながらキスに応えてくる 『っはぁ、』 「気持ちよかった?」 『んん、おしっこ、もれてる、』 「は?漏れたの?着替えて帰ろ」 と、シバは自分の中心を握っていた 『やだ、我慢できるから早く帰らせて』 「気持ち悪くねえの?」 『はやく、かえりたいんだよ、』 と、シバはもう本当に我慢の限界のようで ぐじゅぐじゅと自分の中心を握っていた これ、俺も我慢できねえんだけど…

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