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第109話

あの後は、あきらくんを会社まで送って 自分で洗濯物とかできると言っていたので 任せて俺はシバのおねしょパンツを買いに行った そして、適当に2人で夕飯を食ってかえって シバにおねしょパンツの事を言い出すタイミングを見計らっていたが なぜだかシバの機嫌がものすごく悪い なんにも喋らないし 話しかけてもイマイチ反応が悪い ものすごく機嫌が悪い割に 俺にベッタリくっついて離れない 「シバ、どうした?」 『……べつに、』 「シバ、俺、そろそろ風呂沸かしに行きたいんだけど」 『やだ、いくな』 と、グリグリと身体中押し付けてきて 俺の首元で息をする 『んんん、』 「なに?どうした?」 『やだ、んんん、どこにも行くな』 「行かねえけど、どうしたの?」 『んんん、やだ、』 「シバ、」 よしよし、と背中を撫でていると じわじわと下半身が暖かくなる あー、もらしてる、 「シバ……おしっこでてるぞ」 『やだ、』 「やだじゃねえけど……」 シバは ぐすぐす、と泣き出していて 何があったんだ、と よっこいしょ、とシバの身体を持ち上げてそのまま風呂に向かう 『んんん、ぐすっ』 「シバ、何かあった?」 シバを風呂場に下ろして 濡れてくっついて脱がせにくい 服を脱がせてこのまま2人でシャワー浴びるか、と 俺も服を脱ぎ シバの身体からシャワーで流していく その間も ぐすぐすと泣いていて なんでこんな泣いてるんだ、とため息が出てしまう 「体調悪いか?なんで泣いてんのか教えて」 『……泣いてねえもん』 「シバ、」 バフタブにお湯をため 頭と身体を洗ってから シバを抱っこして2人でお湯に浸かる 「シバ、ほら、ちんちんごしごしするか?」 と、聞くがシバは首を横に振り 俺の腹にぐにゅぐにゅと押し付けていた 「シバ、何か言わねえと俺もわかんねえけど」 それでもシバはふるふると首を振るだけだ 「ほら、ちゃんと気持ちよくしてやるから。向き変えよ」 と、シバの向きを変え 俺の胸に寄りかからせ ふにゅふにゅとシバの股間を弄ってやる うーん、あんまり反応良くねえなあ 「ほら、シバ、ちゅーしよ」 と、顎を掴んで横を向かせ ちゅ、ちゅ、と角度を変えながら 何度もキスをする 泣いているからどろどろでしょっぱい、 「シバ、鼻水でてる」 『んんん、ずび、』 俺に言われて ずる、と鼻を啜るが またすぐにずびずびと鼻を垂らしていて べろ、とそれを舐めてやると シバは驚いて きょとん、と俺を見る 『なめた、』 と、そこでようやく やだ 以外の言葉を喋った 「うん、シバ赤ちゃんだから舐めてやった」 『……赤ちゃんじゃねえもん』 「ほら、」 と、涙も拭いて まだだらだらと流す鼻水も手で拭いて洗ってやる ずび、とようやく鼻が通って息をしやすそうにするシバ 「鼻、すっきりした?」 と、きくと こくりと頷いて涙も止まっていた 「でるか、梨むいてやるから食お」 『……おねしょするから、夜食っちゃいけねえんじゃねえの?』 「シバずっと泣いてて喉乾いてそうだから食っていいよ」 そろそろ梨の時期も終わっちゃうしな 出よ出よ、と 身体を拭いて 服を着せてやる おむつにするか 今日買ってきたおねしょパンツにするか迷って ちょっと今は機嫌を損ねたくねえから普通にパンツを履かせてやる 抱っこしなくても大丈夫だな、と 俺も服を着て そのままキッチンに向かう 『髪乾かさねえの?』 「梨剥いてからなー」 シバは梨を剥いている間もずっと俺の後ろを着いてきて 剥いた梨を1口サイズにして器に入れてフォークを刺してやる 『なんで、梨いっつも小さく切るの?』 「その方がお前食べやすいだろ?」 『うん』 「ほら、だっこ」 と、シバを膝に乗せ 膝の上で梨を食うシバの頭を拭いていると 『はい』 と、フォークに1つ刺して差し出してくるから それを食うと シバはまた自分で食べ出す 『なあ、』 「どうした?」 『きょう……あきらくん、の、送迎、どうだった、』 「なんで?べつに普通だけど?」 『………ふーん、』 「なんで?」 『会社で、あきらくんに会ったから』 「あぁ、あったんだ」 『あきらくん、おもらししたのお前に片付けてもらったって言ってたから』 「あぁ、あきらくんわざと漏らしたんだよ。車で。だからおむつ替えてやったけど」 『………ふーん、』 「なんで?」 と、シバはテーブルに器を置く 「なに、もう食わないの?」 と、手を伸ばして 残っている梨を食おうとすると あ、とシバが口を開けるから 食わせてやるとおいしそうに食う 「うまい?」 『うん』 俺も食お、と1個咥えると 『んん、』 と、シバは振り向いて ちゅ、と俺の唇に触れるのも気にせず 横取りしてくる 『ほれのらし』 と、俺の食いかけた梨をもぐもぐしながら ふん、とまた前を向く 「なに、シバ。食っちゃダメなの?食いすぎるとおねしょするよ」 『……今日は食っていいって言ったじゃん』 まぁ言ったけど、と今日はシバのおねしょを覚悟する 梨は半分くらい剥いたが 殆どシバ1人で食べてしまって でも満足しているようで シバの機嫌も少し治っていてとりあえず安心する よし、そろそろ あの件、切り出していいかな、と シバを横に寝させる 『なに?』 「パンツ、変えとこ。おねしょしないように」 『うん』 と、おむつを履かせて貰えると思っていたシバは俺がおねしょパンツを出すと 首を傾げた 『なに?それ』 「寝るとき用のパンツ」 『なんで?おむつじゃねえの?』 「おむつもうやめような?シバ赤ちゃんじゃねえから寝るとき用の大人パンツにしよ」 それを脚に通して上まで上げると 『ちょっと、もこもこする』 「うん、オムツほどじゃねえけどちょっとおねしょしても大丈夫だから。これでおねしょ治るように頑張ろうな」 シバは少し考えこむような顔をして 『おれのおねしょ治るとおまえもうれしいの?』 「あぁ、そうだよ」 『おねしょ治ったら、おれの飼い主やめない?』 「は?なんの事?」 『……聞いてんじゃん』 「なんの事かわかんねえけど。シバがおねしょしようが治ろうが俺はお前の飼い主だよ」 と、頭を撫でてやると シバはぎゅっと抱きついてきた なに不安になってんだ?こいつ

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