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第118話
目を覚まし、
携帯を見ると
1時間ほど前にシバからメールが入っていて
返せなかったな、と思っていたら
玄関の方で音がして
シバか、と玄関に向かったら
熱が上がったのか寒気とふらつきが少しある
本当に会社行ってたらやばかったな
俺の熱に気付き休むように言ったシバに感謝だ
玄関で音がしたと思ったのに一向にシバは入ってこなくて
鍵忘れたか?と玄関の鍵を開け外を見ると
玄関の前にへたりこみ
ふるふると震えるシバ
あー、これって…と
どうやらおもらしをしてしまったシバは
家に入れても
ずっと下を向いていた
つかすげえいっぱい買ってきたんだな、シバ
のろのろと荷物を全部置いて
ゆっくりとスーツを脱いで
ネクタイを外し、
ズボンのベルトに手を掛けたところで
1度ピタリと止まったシバ
そして、
『……トイレで脱いでくる』
と、ポツリと呟いた
「シバ、おいで。おむつ脱ごう」
と、ソファに座り声をかけてやる
『んんん、できる、自分でできるから、おまえ寝てていいから』
と、ぐずぐずと言って
膨らんでしまったおむつを見られるのが嫌なのかベルトだけ抜いてここから出ていこうとするシバ
「シバ、俺にやらせて」
『や』
「なんで、」
『んんん、おまえは寝てればいいじゃん』
「俺もう目覚めちまったし」
『自分でできるのに』
「おいで、シバ。俺がやりてえの」
と、名前を呼ぶと
おずおずと俺の近くに来たから
ズボンのボタンを外していく
『……会社では、大丈夫だったんだ』
と、言い訳のようにいうシバがかわいくて
笑いそうになるのを耐える
「そうだよな」
あー、すげえ出てる、
じわ、と脚の付け根のところが湿っていて
後ちょっと出てたらおむつから漏れてたな
『スーパー行って、トイレ行きたくなったけど、あそこのトイレ暗いから、急いで帰ってきたのに信号が、』
「あー、あのスーパー行ってきたのか。そうだな、あそこのトイレ暗いから1人で入らなくていいって俺言ったもんな」
『……うん、』
「約束守って偉いじゃん、しば」
『…でも、もれたけど、』
「シバは俺との約束守ったんだから仕方ねえじゃん」
『……うん、』
ふぅ、と少し息を吐いて
シバのおむつの横を破ると
中は余す所なく濡れて
パンパンに膨らんでいる
すげえ我慢したんだな
シバいつも量すくねえのに
『おしりふきでやって、』
と、ようやく諦めたのか
シバは俺に気を使って
自分でおしりふきを持ってきた
「冷たいだろ?」
『いいから、早く』
と、シバはまだ下を向きながらいうから
おしりふきを数枚取り出して
濡れたところを拭き取っていく
『……きれいになったら、おむつはいていいだろ?』
「なんで?家だからパンツでいいじゃん」
『……でも、でちゃったら、自分できれいにできないかもしれないし』
たしかに、
今日は俺も掃除もできねえしやられるのも嫌がるだろうからな
そして1回漏らしてる分余計不安になっているのだろう
「じゃあ、シバ、今日持ってったおむつ1枚持っといで。今シバに渡したやつしか履くタイプのないから」
と、伝えると
うん、と頷いて
鞄からおむつを1枚取り出した
「おむつ、1つこのままシバの鞄の中に一応入れておこうか」
『ええ、』
「念の為だよ」
持っておいでと言ったのに
シバは自分でおむつを履いて上まで上げた
『もう、自分でできるから』
と、言われてしまい少しさびしく感じる
「シバ、抱っこする?」
と、聞いてみたけど
ふるふると首を横に振った
その割にワイシャツでおむつを隠しながらすぐ側に近付いてきて
俺のおでこに手を当てる
『まだ…あっちいじゃん』
「あー、うん」
『薬飲んだ?』
「……飲んでねえ」
『おれ飲めって言ったのに、』
「いや、悪い。そうだったな」
忘れてたというか
めんどくさかったというか
『……おまえ、薬飲めねえの?子どもみたいじゃん』
と、おむつ姿の子供みたいなやつに子どもみたいと言われるとは思ってもみなかった
「……まぁ、そうだなー」
『着替えてくるからご飯食べて薬飲もう。おれ色々買ってきたし』
おむつがキレイになって、
機嫌も少し治ったか、
シバはすぐに着替えてきて
その間に俺は手を洗いシバが買ってきた物を見る
すっげえ色々買ってきたな
カレーにカツ丼
スープとあーレトルトの雑炊とかもあるのか
あ、アイス溶けてんじゃん、と
それは冷蔵庫に入れる
俺の分はスープかな
とりあえず温めよ、と
雑炊を器に移してラップをかける
「あー、だる」
『大丈夫?つらいの?おれがやってあげるからすわってて』
「おお、シバ。着替えたか?」
『うん』
と、ぴと、と俺のすぐ側に近付いてくる
『あつい?』
「あー、今ちょっと寒いな」
『寒いの?』
「あぁ、」
『部屋あったかくしよ、』
と、エアコンを調整する
「シバは暑くねえ?」
『うん、おれはへいき』
「そっか、シバは何食う?」
『おれのスープ。おまえはカレーとカツ丼どっちがいい?』
「……俺のその2択か?」
『うん、おまえすきだろ?』
「いや、今日はできればもうちょい消化良さそうなの食いてえなあ、」
そんな食欲もねえし
『そうなの?じゃあおれのスープいいよ』
と、温める時間を確認するシバ
『すわってて、おれがやるから』
「できるか?」
『うん、できるから』
「じゃあ待ってるな。あ、今雑炊あっためてるけど熱いからちゃんと鍋つかみ使って持ってこいよ」
『へいきだよ、そんなん』
と、シバはスウェットの袖を伸ばして
温め終わった雑炊を持ってきて俺の前に出す
『あ、飲み物飲まなきゃいけないんだろ、おれいっぱい買ってきた』
「そうだな」
『いっぱいのむとおしっこしたくなるからおれトイレ連れて行ってやるよ』
「いや、動けるからいいって」
と、他の物も温め始めて
飲み物用にグラスまで出してくれる
シバって意外と俺がやらなければちゃんとできるんだな
多分看病とかした事ないのか
カツ丼とかカレーとか買ってきたけど
まぁ雑炊買ってきただけ凄いけど
『なぁ、大丈夫?ぼーっとしてるけど。お熱上がった?』
お熱、と子どもの様な言い方をされると
なんだかむずむずするな、それ
『ご飯食べたらちゃんと薬飲むんだよ』
「わかってるよ。シバ看病上手だな」
『そう?おれ、おまえの真似してるだけだよ』
できた、と
全部温めて俺の前に座って
スプーンを渡してくる
シバはカツ丼なのに自分もスプーンで食うようだった
『食わせてあげようか?』
「いや、自分で食えるからシバも自分で食いな。腹減ってるだろ」
『うん、いただきます』
「いただきます」
と、シバもようやく食い始めた
時間はもう15時近くて
明日までに熱が下がるかなー
とりあえず飯食ったらまた寝るか
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