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第122話
シャワーのあと
「パンツでいい?」
と、聞いてもシバは首を横に振るから
何も聞かないでおむつを履かせた
『………やだ、』
「もう帰るだけだから。家ついたらすぐパンツにしよ」
と、上下ともスウェットに着替えさせ
抱っこをして車に連れていく
おっもいな、また成長したか?
しかしシバはまるで大きな赤ちゃんで
抱っこをされていても
ぐすぐすと泣いて
俺の首にグリグリと抱きつくだけだった
車に下ろして、
車を発進させても
シバは俺の顔は見ず
窓の外を見ていてなんにも話さない
次第に指しゃぶりをしだしたが好きにさせることにした
指しゃぶりをして落ち着いたのか
間もなく寝息が聞こえてきて
眠ってしまったようで少し安心する
今日の夕飯は冷凍うどんだろうな、と頭の端で考えた
◇◆
家に着くと
車から部屋までは歩いたが
部屋に着いてからまたソファで寝ていて
ひと言も話さない
今までおもらしして機嫌悪くなってもこんな黙り込む事なかったのになー
何が気に食わなかったんだろう
「シバ、そろそろ起きないと夜眠れなくなるぞ」
『……やだ、』
「シバ、どうした。何怒ってんの」
『…怒ってねえもん』
「怒ってねえなら起きな」
『……やだ、』
「おこってんじゃん。シバ、抱っこしよ」
と、ソファに座り
膝をぽんぽんと叩くと
すぐに上に乗ってきて
ぎゅっと抱きついてくる
「シバ、俺がトイレ連れてってやんなかったからトイレ間に合わなくなったのが嫌だったのか?」
『………』
「シバ、なんにも言わなきゃ俺わかんねえよ」
『……おまえが、』
「俺が?」
『……なんでもない。会社でおもらししてやだっただけ』
「そうか?まあ、すぐキレイにしたから気にすんな。あきらくんも誰にも言わないって言ってたし」
と、シバの背中を撫でると
またグリグリと身体を押し付けてくる
「シバ。俺、シバがそんな顔してんの嫌なんだけど?嫌な事あったらすぐ言えよ?」
『………うん、わかった』
と、ようやく少し喋るようになって
少しだけ安心する
そこで俺もようやく気付いた
背中側から
スウェットのゴムに手をかけ
中を覗くと
おしっこでたよ、のサインの青い線が入っていた
「シバ、おむつ替えようか。ちょっと出ちゃってるな」
『……うん、』
と、シバを寝せてやり
タオルで下半身を拭いていく
「昼間用のパンツにする?」
と、聞いても首を横に振るから
おむつを履かせる事にした
そういえば履くタイプのおむつ切らしてたな、とテープタイプを付ける
「シバ、今テープのしかないからトイレ行きたくなったら一緒に行こうな。おむつ外してやるから」
シバは無言で頷き
されるがままテープタイプを履かされる
おむつ卒業できたと思ったのに
赤ちゃん返りだな、まるで
スウェットを上まで上げると
シバはそのまままた俺の膝の上に乗る
よしよし、とシバの背中を撫でつつ
「俺ちょっと仕事やらなきゃなんねえからシバ隣にいような」
『…うん、』
「シバは今日の仕事大丈夫か?」
『おれも、ちょっとやる』
「じゃあ一緒にやるか、そしたらちょっとだけ買い物行って飯作ってゆっくりしよ」
『うん、』
と、シバが納得した事に安心して
もうちょっと抱っこをしてから仕事を再開することにした
『なぁ、おしっこ』
「おお、じゃあトイレ行こうか」
と、仕事を再開してしばらくたった頃だ
シバはちゃんと言えたから
2人でトイレに向かって
おむつを外してやる
うん、おむつもまだ濡れてないな
「一緒に入るか?」
『うん』
と、シバが頷くから
個室にも一緒に入って
トイレの手伝いもする
トイレに先っぽを向けてやると
ちょろちょろと少しずつ排泄を始めて
ちゃんとたくさん出ている事がわかる
タイミングもいいしシバのトイレが終わったら買い物行くか
「シバ、トイレちゃんと言えてえらかったな。終わったら着替えて買い物行こうか」
『うん』
と、少しずつだが
シバが落ち着いて来たのがわかる
甘えたかったのか?
トイレを済ませ
もう一度テープのおむつを付け
「シバ、バンザイ。お着替えしよ」
シバは言われるがまま
ちゃんとバンザイもするが
自分ではやらないから
そのまま着替えさせてやる
『うどんと、しゅうまい食いたい』
「しゅうまい?そしたら買おうか」
と、何故か焼売を食べたくなったようで
焼売を購入することも決定する
◇◆
あの後ちょっとずつシバはいつも通りに戻り
おもらしもしなかった
ただいつもより甘えん坊で
風呂にも一緒に入ったし
寝る時もおむつを履きたがったから
今日だけな、とおむつを履かせてベッドに入ると
さわさわと俺の股間に手を伸ばしてきた
「なに?やりたいの?」
『…ちがう、触るだけ』
触るだけって俺がこまるんだが、と思いつつも
好きなようにさせていたら
俺のが大きくなってきた頃にシバは寝息をたてはじめた
まじで触りたいだけだったのかよ……
しかし寝付いてしばらくたった頃だ
何やらえろい夢を見て目を覚ます
え、俺そこまでお盛んだったっけと思いながらも
なんだ、と違和感の方に目を向けると
ちゅぱちゅぱと俺の指をしゃぶっているシバ
えろい夢の正体は寝る前のちんぽ触るだけとこれか、と
ちゅぽ、とシバの口から指を抜くと
シバは口寂しそうにあむあむと口を動かす
そして間もなくして
『んんん、んん、』
と、ぐずぐずと動き出す
「シバ?起きた?」
『んん、や、やだ、』
「シバ?」
うなされているように
いやいや、と頭を振るから
揺すって起こしてやる
「シバ?どうした?」
声をかけると
ゆっくりと目が開き
虚ろな視線で俺の事を捉えた
『……だっこ、して』
と、シバは身体を起こし
転がるように俺の上に乗ってくる
「シバどうした?怖い夢でも見たか?」
シバはぶんぶんと頭を振りながらも
ぎゅっと俺に抱きついて
ぐすぐすと鼻を鳴らす
「シバ?」
どうしたんだ?一体
よしよし、と背中を撫でていると
じんわりとシバの乗っている辺りが温かくなる感じがする
「シバ、おしっこ出ちゃったみたいだからおむつ替えてまた寝ようか」
『……んん、や、』
「いやか?じゃあどうする?」
『……おまえも、いっしょにねる?』
「当たり前だろ?どうした?何言ってんだ?」
『んん、おむつ、替えて』
と、シバは泣きながら言った
なんだ?怖い夢でも見てたのか?
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