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第123話

『おはよー』 「おおー」 と、翌朝シバはいつもの調子で俺より少し後に起きてきて 「シバ、おむつは?」 『でてない』 「おお、偉いじゃん。おいで、外してやるからトイレ行っといで」 『うん』 と、いつも通りだ おむつを外してやると 1人でさっさとトイレに行き 済ませて戻ってくる 昨日の夜の行動は寝ぼけての行動だったのだろうか昨日散々甘えて気が済んだのか、 「シバ、昨日怖い夢みた?」 『ええ?覚えてねえけど。なんで?』 「夜中起きたの覚えてねえ?」 『んんー?ちょっと起きた気もするけどあんまり覚えてねえ』 「そっか、別に覚えてねえならいいや」 『ふーん?』 と、寝ぼけて甘えていただけか、と安心する 「シバ、今日一緒の車で行っていっしょに帰ってこよ」 『おまえ、大丈夫なの?昨日、おれのこと連れて帰ったから仕事溜まってたりしない?』 「あぁ、家でやったから平気だって」 『そっか、じゃあそうする』 「ただ、今日ちょっと打ち合わせあるから昼飯一緒に食えないんだけどいいか?15時とかになったら空くけどシバお腹すいちゃうよな?」 『俺も昼頃送迎入れてるから待ち時間の間に済ます』 「そっか。じゃあ夜は一緒に食おうな。あ、朝もどっか寄ってこ」 と、全くいつも通りのシバにこちらが拍子抜けしてしまうくらいだ 「シバ、パンツ履いた?」 『まだ履いてねえ』 と、いうシバの下半身は スウェットに包まれているから きっとノーパンで履いてんだろうな 「今日送迎あるからおむつにしとくか?待ち時間結構寒いだろ、車」 『平気、昼間用のパンツにする』 「じゃあヒートテックも履いて行って寒くないようにしような」 と、ちょっと容量多めのおもらし用パンツにするか、と俺の方が昨日の不安から たくさん吸水できる物を選ぶ 「待ち時間もトイレぐらいなら行ってもいいから。ヤナギは膀胱強すぎるから行ったことないらしいけど瀧とか行ってることもあるから。行く時は一応俺かヤナギに連絡して」 『わかった』 と、今日はシバがおもらししない事を祈りながらおもらし用パンツを履かせた後に ヒートテックも上まであげると さっさとシバは着替えに向かって 俺も自分の身支度を整える 「毛布とか用意しようか、車用」 『なんで?』 「待ち時間寒いだろ、シバが寒いの俺やだし」 『へいきだよ、ちょっとくらい』 「今日空き時間に買いに行っとくから今日はバスタオル適当に持ってこ。何も無いよりマシだし」 『ええ、いいって』 「後でカイロも買おうか」 『心配しすぎだろ』 と、シバは笑った いや、だって心配だろ ただでさえ寒くてトイレが近くなるのに おもらし用パンツに漏らしたあとすぐ着替えられなくて 冷えたりしたらかわいそうだし 風邪でもひいたらと考えると心配しすぎな事は無いと思うけど シバの鞄とは別に バスタオルを2枚と着替えのおもらし用パンツとおしりふきとビニールを入れた袋を用意して 後で送迎行く時持たせようと考える 「シバ、朝飯何食いたい?」 『寒いからスープ』 「お前スープ好きな」 『噛まなくていいから楽だし』 なんて怠惰な考えだ、と思いつつも チェーン店のスープのお店と、コンビニでカイロを買っていく事にして会社に向かった しかし問題が起こったのは 会社に着いて間もなくだった 「社長、今瀧さん送迎出ていて、次朔夜くんの送迎なんですけど今行ってる耐久コースが予想以上に伸びてるようで…俺今から千秋くんの送迎なんすけど、シバくんに朔夜くんお願いする事って難しいですか?」 「あー、それかあー」 「千秋くんの方変わってもらおうとも思ったんですが…千秋くん今日外で耐久なのでシバくんその後の隼人くんの送迎に間に合わなくなっちゃうし……だからあきらくんの送迎ならシバくんか社長なら時間的に行けるんですけど」 チラッとシバの顔を見て 考える 昨日シバあきらくんの前でおもらししたからなー……嫌だろうな、 『おれが、行きます、』 と、シバは社用車の鍵を持つが 「えっと、お願いできるのかな?」 「ええ、シバいいって。お前その後も送迎入ってるだろ?」 『でも今日のあきらくん基本コースだから全然間に合うし』 「いや、でもバタつくから俺が行くって」 『…おれが行くって言ってんじゃん。なんでそんな行きたがんの』 「いや、別に行きたがってる訳じゃねえけど」 『……ヤナギさん、とりあえず俺が行くからもう行っても大丈夫です』 「あー、……うん、じゃあよろしくね」 と、時間が無いヤナギはとりあえず千秋くんの送迎に向かう 『……おれが行くから』 「いや、でも」 『おまえあきらくんのやつばっかり行きたがんじゃん、前もおれがあきらくんの送迎入ってたのにお前行ったじゃん』 「それはお前が心配だからだろ、」 『なにそれ。仕事なんだからおれできるだろ、なんにもできないと思うなよ』 ふんっ、とシバは行ってしまった は?なんでそんな怒るんだよ 昨日まであんな赤ちゃんみたいに俺に甘えていたのに 「意味わかんねえ……」

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