139 / 180

第139話

シバがずっと元気ない 病み上がりという事もあると思うが 普通に何となく落ち込んでいるような 俺の様子を伺ってくるような感じで そのくせめちゃくちゃ甘えたがる べつに甘えてくる事に関してはかわいいからいいんだけど 何か嫌なことがあるのか心配にもなる おもらしが増えて落ち込んでいるのだろうか 『げほっ、』 仕事が終わり シバと帰っているが シバは咳が止まらなくなっていて 隣に座ってごほごほと咳をしていた 「シバ、大丈夫か?明日朝病院行ってから仕事行こうか」 『んん、ごほっ、へいき、っ』 「…でも咳止まらないだろ。朝晩は特にひでえし」 『じゃあおれ1人で病院寄っていけるからおまえ、ごほっ、さき、かいしゃ、いってて、いいから』 「いいよ、別に昼から出勤で。夜勤入る予定だし、俺」 『……いやじゃない?』 「嫌なわけねえだろ、俺から言ってんだから。お前ひとりで病院行けねえだろ?」 『………ひとりでも、いけるとおもうけど』 「俺が心配だからシバの事病院に連れていきたいだけ。シバは嫌か?」 『……や、じゃない、』 「じゃあ一緒に行こうなあ。今日の飯は温かい物にするか。鍋とか」 『なべ?』 「去年は忙しくて鍋とかあんまりしなかったよなー。シバ、鍋好きか?」 『鍋、前の職場のときよく食った。すき』 じゃあ鍋にするかなー、とスーパーの方に車を向ける 「シバ、ちょっとスーパー寄って帰るな」 『…んんー』 と、シバは窓の外を見ながら もじもじ、と腰を揺らしていた 「あー、シバ、おしっこ?」 『……うん、おしっこかも、』 「出そう?スーパーまでできるだけ我慢しようか」 意識してトイレに行くようにしていたからか ちょっとずつだが いつの間にかおもらしをしてしまう訳じゃなくちゃんとトイレに行きたいという感覚を感じるように戻ってきていたシバ おむつをしているから漏らしても問題は無いのだが せっかくおもらしする前に気付いたのだからもうちょい我慢できるように 少しシバに我慢させることにした 『んん、でちゃうかも、』 意識したら余計出そうになっているのか シバは太ももに手を挟みこみ モジモジと脚を揺らす 「シバ、出ちゃったらしょうがないけどできるだけ我慢して」 『がまん、ってどうやってするか、わすれた、っ』 「ええ?」 『んん、でちゃうかも、っあっ、』 と、シバは中心を握り込む あぁ、でちゃってんな、これ 『ど、やって、がまん、すんの、』 「ええ?えーと、」 と、言われて 自分はそんな意識して我慢した事とかねえからな、となんとか考える 「尿道、締めて出ないようにするとかか?」 『それ、どこ?っ、ぁっ、』 「ちんちんの先っぽ力入れて、シバ」 『ぁっ、ぅ、んん、…ちょ、っと、おしっこ、とまった』 どうやら効果があったらしい ただここまで出てしまってたら もう今更我慢しても遅い気もする 「シバ、我慢できなそうならおしっこ出していいからな」 『や、んん、がまんする、』 「無理しなくていいからな」 もじもじ、とシバは脚をすり合わせていて落ち着きがない そして 時折 あっ、とシバの声がして おしっこ出ちゃってんだろうなぁ、と 運転しながら様子を伺う しかし、 次の瞬間 シバが短く息を詰めたと思うと しゃああぁ、とおむつの中から水の音が聞こえた おむつしてんのに、結構大きな音 勢いよく出てんな シバもきっと車の中に音が響いている事に気付いていて 恥ずかしさから顔を赤くしていた 『んん、でちゃった、漏れちゃった、』 「シバ、我慢頑張ったな。着いたらおむつ替えようか」 『……いい、我慢するから早く買い物して帰ろ。家でおむつの替えて欲しい』 シバは車からおり 濡れてしまったお尻が気持ち悪いのか 少しだけお尻の布地を掴む 「じゃあ早く買い物して帰ろうな」 鍋の素のコーナーで 『トマト鍋がいい』 と、シバはトマト鍋を選んで 俺はアゴ出汁鍋とかの方が好みだから トマト鍋は食ったこと無かった 「トマト鍋なー」 『トマト鍋、チーズ入れて食う』 「へえ、うまいの?」 『うん、うまいよ。食ったこと無いの?』 「あぁ、トマト鍋はねえなあ。つかずっとひとり暮らしだったから鍋自体そんな食わないし」 『へえ、じゃあトマト鍋おれが教えてやるよ』 「うん、シバが教えて」 と、シバはトマト鍋に合う食材をカゴの中に入れていく 「シバはよく鍋食ったの?」 『うん、前の家、老夫婦だったからおれのこと、小さい子みたいに扱う事あったから小さい子供の好きな食べ物ばっかり夕ご飯になった』 まぁ、シバと一緒に住むと子供みたいに思わず扱ってしまうが オムライスとかカレーとかハンバーグとか と、シバは付け足した そう言えばカレーは作ってやったけど オムライスは作った事無かったよな トマト鍋は 子供に大人気!とポップに書かれていて 「あとシバ喉痛いからのど飴とはちみつレモンも買おうなー」 『うん』 と、だいたいカゴに詰めて 会計をしている間 シバはおむつの気持ち悪さを思い出したのか 少しもじもじしながら待っていた 「シバ、早く帰ろ。トイレ寄るか?」 『ううん、早く帰る』 「そうだな、早く帰ろ」 と、シバも荷物を持ってくれて 急いで車に戻るが シバはますます咳が止まらなくなっていて ごほごほと咳をしたいた 「シバ大丈夫か?気持ち悪くなってねえ?」 『大丈夫、けど、』 もぞと腰を動かす 『なんか、おむつ、ぬれてるとすぐおしっこ出そうになる』 「ちょっと我慢しようなー」 『うん、』 家まであと少しだ シバは我慢出来るだろうか 『なぁ、』 「なに、シバ」 『家帰ったら抱っこしてくれる?』 「なんだよ、今更。いっぱい抱っこするけど?」 『ふーん、』 と、シバは窓の外を見ながら笑った 「なに?嬉しいの?甘えん坊」 『甘えん坊じゃねえもん』 「ふーん、俺は甘えん坊でもいいけどな」 『……そんなん言うの、お前だけだよ』 「そうか?」 手を伸ばし よしよし、とシバの頭を撫でた 早く帰ってシバのおむつ替えてやんねえとな

ともだちにシェアしよう!