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第145話

シバの喉は病院に行ったおかげか 翌日にはほとんど治っていた そして、 ようやくシバのおもらしが治ってきた 気温にも慣れ ほとんど失敗はしない日が増えていて 失敗してもちょっとパンツ濡らす程度だ まぁ、夜はちょいちょい失敗するが 昼間はまぁ安心できていた これなら大丈夫だな、とシバに切り出す 「シバ」 『なに?』 「お前、年末年始とかってどうする?予定ある?」 『特に無いけど』 「実家とかは?帰んねえの?」 『おれの親、毎年年末年始は旅行行くから。姉ちゃん達も多分帰ってこないし』 「へえ、」 『おまえは?』 「去年は忙しくて帰れなかったから俺は今年は実家帰ろうと思ってんだけど」 『…ふーん、』 と、目をそらすシバ 「お前、実家帰らねえなら一緒に来るか?」 『ええ、お前の家に?』 と、驚いた反応をする まぁ、置いてかれると思っていたんだろう 「うん。いやか?」 『……やじゃないけど……いいの?』 「いいから言ってんだろ。年末年始ひとりぼっちじゃ寂しいだろ?」 『……一緒に、いく』 「よし、じゃあ行こうなー」 と、シバの了承を得たところで 親に連絡をする 年末年始、今こっちで一緒に住んでる子連れて帰るから と、メールをしたらすぐに母親から電話が折り返しかかってきて リビングから外して電話に出る 「もしもし、何?」 「何じゃないわよ!一緒に住んでいる子ってなんなの?女の子なの?」 「ちっげえよ、男だよ」 「あら、男の子?てっきり彼女かと思ったわ。なに?連れてくるの?」 「あぁ、家で1人にさせる訳にも行かねえしなー。あ、なんかハンバーグとかそこら辺の食いもん好きだから作ってやって」 「なによ、そこら辺って」 「んー、お子様ランチ系?」 「もう、後で詳しく教えなさいよ。それで、客室とか用意した方がいいの?」 「それは俺の部屋で寝させるから大丈夫。あと母さんだけにちょっと伝えたい事あるんだけど……」 と、ちょっと迷ったが やっぱり伝えといた方がいいよな、と 伝える事にする まぁ、やっぱり色々迷惑かけるかも知んねえし 洗濯とか 「なによ、改まって」 「いや、ちょっとなー…その、クセがあって」 「クセ?」 「ちょっとこの時期寒いからおねしょしちまう事があってな。昼間はほとんど大丈夫なんだけど。まぁ、たまーにおもらしもするかも知んねえけど。一応おねしょマットとか持ってくから布団汚したりねえと思うけど。洗濯物ちょい増えるから兄貴とか景子さんとかミサには内緒にしてやってくんねえ?」 「あらあら、そうなの。わかったわ。荷物増えると思うけどケアしてあげなさいよ。環境変わるとおねしょ増えちゃったりする子もいるんだから。そう言えばあんた達は誰もおねしょとかしなかったわね」 「分かってるって。じゃあ行く日程決まったらまたメールするから」 「その子の好きな食べ物もメールしなさいよ」 「分かってるって」 と、ため息を吐いて電話を切る この歳になると 実家に帰ると 結婚はまだかとか結構うるさいが今年はシバを連れていく分結婚の事はまだ言われなかったな… 帰った時も言われないといいが 実家には車で帰ろうと決め 前回の出張の経験を活かして荷物も何を持っていくか考え計画を立てる 「シバ、好きな食いもんなに?母さんが作るって」 『え?んん、お前が好きな食いもん食べてみたい』 「ええ、なんだ、それ」 俺の好きな母さんの料理か? 「炊き込みご飯とかでもいいの?」 『うん』 「あと普通にアオサの味噌汁」 『じゃあそれ』 「一応言っとくけど。他になんか食いたいものは?オムライスとかハンバーグとか、俺が普段作ってやらないやつとか」 『んん、からあげ』 「おお。唐揚げな」 と、母さんにメールを送る 『豆腐屋さんだっけ』 「あぁ、そうだよ」 『誰がいるの?』 「母さん父さんと兄貴と、兄貴の嫁さんと妹のミサ」 『いっぱいいる』 「ミサはもしかしたらいねえかもな。いま一人暮らししてるから」 『へえ』 ミサも社会人だしなー、と思いながら 「お前ミサより年下か?忘れてたけど」 『そうなの?』 「ミサが俺の4つ下だからなー。お前よりだいぶ上だ」 『そうなんだ』 ミサもガキだと思ってたけどいつの間にかだいぶ大人になってたんだなー お茶碗とお箸いる?と母さんから返信がきて いる、と返信をする 「なんかお前実家に連れてくって今更ながら照れるな」 『おれも、ちょっと緊張するかも』 「大丈夫だよ、べつに。俺らも大人だから母さんもそんな構ってこねえし」 『そっか、』 「神社連れてってやるからなー。初詣」 『はつもうで、去年行かなかったな』 「あぁ、だから今年は行こうなー。地元で俺が昔から行ってるところあるから」 『そうなんだ、そういうの、いきたい』 「そうか?よかった、シバがそう言ってくれて」 シバは俺に合わせているだけだと思ったが いきたい、とシバが言ってくれて 少し安心した 俺は年末年始の帰省に向けて 荷物の準備と予定の調整頑張らなきゃなー

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