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第148話

『なぁあ、おしっこしたくなっちゃった』 と、母さんから布団を貰い部屋に戻ると 寝るために部屋着に着替えたシバは 自分の中心を抑えてパタパタと足踏みをしていた 「あぁ、おしっこな。トイレこっちだから」 と、まだトイレに案内していなくて 急いで2階のトイレに連れていくと シバは急いでトイレに駆け込む そしてしばらくしてトイレから出てきたが 『んん、ちょっとパンツに出ちゃった』 と、眉間にシワを寄せていた 「パンツ濡れちゃったか。ごめんな、俺がトイレの場所言ってなかったもんな」 とりあえずパンツ替えよ、と部屋に戻って シバのスウェットを脱がせる パンツも脱がせると 内側に手のひらくらいの大きさのシミが広がっていた 「シバ、お昼寝の時寝る時用のパンツでいい?それか昼間用のパンツにパット入れて寝ようか?」 『昼間用のパンツにする』 「そっか、じゃあそうしような」 と、おもらしパンツに念の為パットを入れて 履かせる まぁ今おしっこしたばっかりだからおねしょは大丈夫だと思うが。 お昼寝も多分30分以内くらいにしないと夜寝れなくなるし ただシバはこの方が安心するだろうと一応パットを入れてやると案の定安心したようで すぐに枕に抱きついてうとうとし始めた 俺はシバの汚したパンツを処理しに 1度洗面所に向かおうとするが 『どこいくの?』 と、寝そうだった赤ちゃんが目を覚まし 不安そうに俺の事を見る 「えええ、便所。すぐ帰ってくるから」 『………すぐきてよ』 「わかってるよ」 と、シバをおいて とりあえず洗面所にいき さっさとパンツを洗い 持ってきた漂白剤に付けようとバケツを探す 「母さんバケツどこー?」 「洗面台の下にあるでしょ?バケツなんて何に使うのよ」 「えええ……」 と、濁すが俺の手にある布を見て 「あら、シバくんおもらししちゃったの?」 と、すぐにバレてしまう 「いや、ちょっとパンツ濡らしただけ」 「あんたいいお父さんになりそうね」 と、さっさと それをバケツに入れ水と漂白剤に付けて目立たない所に置いておく 「俺とシバちょっと昼寝するわ、朝早かったから」 「そう。起きたらちょっとお買い物行ってきてくれる?景子さん今動くの大変だから」 「おおー、了解」 と、シバの待つ部屋に戻る 「うわ、なにこれ」 と、部屋に戻ると 部屋中に 俺のスーツケースの中身がばらまかれていた 『………』 「なに、シバ」 『お前の匂いするから』 「すぐ戻るって言ったろ?寂しかったか?」 『……遅かったから』 「……本物ここにいるけど?」 と、腕を広げると ばふ、と俺のパンツを持ったシバが抱きついてきた 「お昼寝しようなー、シバ」 『うん』 パンツ返して、と シバが握りしめているパンツをさりげなく奪い返して そのまま布団に横になる 「シングルだと狭いな」 俺の布団も敷いた方がいいかもと思いつつ 畳だからいいか、とそのままシバの背中を撫でると シバはすぐにうとうとし始めて眠ってしまった 俺も30分後にアラームをかけ すぐに昼寝する事にした ◇◆ 「…んぁ、………シバ?」 目を覚ますとシバがいなくて 俺はシバの枕を抱いて眠っていた 携帯を見ると寝る前から1時間ほど経っていて アラーム掛けたのにおかしいな、と思いながら起き上がり当たりを見回すがシバの姿は無くて 散らばった俺の荷物をスーツケースに戻して 階段を降りる 「そうそう、シバくん上手ねー」 と、何やら母さんの声が聞こえてきたそのままキッチンに向かう 「なにやってんの?」 「あら、やっと起きてきたの」 『ほら、枝豆』 と、シバは今剥いていた枝豆を見せてくる 「なに?枝豆?」 「シバくんがお手伝いしてくれてたのよ。ご飯の枝豆剥くの。ほら、上手にできてる」 「へええ、」 なにやってんだ?と首を傾げた 「起きたなら買い物行ってきてちょうだい、唐揚げ用のお肉と何かフルーツでも」 と、言われ 顔を洗いに向かうとシバは着いてくる 「母さんの手伝いしてたの?」 『うん』 「なんで?」 シバも一緒に買い物行こー、と 着いてくるシバに携帯だけ持たせて 買い物に向かう 商店街いいよな 『アラームなったから、目覚めて』 「鳴ったか?俺気付かなかった」 『おれの腕の下でヴーってなった』 「なるほど」 『トイレ行こうと思って、トイレ行って、出たところでお母さんに会って』 「うん」 『手伝った』 いや経緯わかんねえけどいいや、もう 大方母さんが無理やり引っ張って行ったのだろう 『お前寝てたから起こさなかった、』 「気使ってくれたのか?ありがとなー、よく寝てスッキリしたわ」 『そっか』 と、シバは少し上機嫌に 俺の後を着いてくる 「買い物唐揚げ用の肉って言ってたよなー」 と、商店街の肉屋さんに向かい 唐揚げ用の肉ってどれだ、とショーケースを眺める 「唐揚げ用の肉ってどれですか?」 と、肉屋のおじさんに聞くと 「唐揚げ用のはコレね。どんくらいいるの?」 「ええ、6人分くらい。食べ盛りは俺含め2人くらいです」 「って、豆腐屋んとこの次男坊かい!?」 「…あ、はい。まぁ」 「社長さんなんだってね!立派になっちゃって!」 「いえいえ、そんな」 「ほら、サービスしとくね!…と、後ろのは?キレイな顔の兄ちゃんだね」 「あ、これは今うちで下宿させてる子です」 と、シバはぺこり、と頭を下げる 「へえ、立派なもんだねえ」 「いえ、」 「長男の、匠くん所はもうすぐお子さん産まれんだろ?」 「あ、はい。間もなくらしいです」 「社長さん、結婚はまだなのかい?もし相手が居ないようだったらうちの娘貰ってくれても」 「いや、サトミちゃんでしたっけ?まだこんなちっさかったですよね?」 と、昔の記憶を辿り 小学生ぐらいの女の子を思い出す 「いやいや、もう16だよ!結婚できる年齢だって!」 「そんなんなったんですね。でも16の子からしたらこんなオッサン申し訳ないんで御遠慮させていただきます」 と、サービス、と大量におまけしてくれて お礼を言って店を出る なんだかどっと疲れたな 『………お肉屋さん知り合いなの?』 「うーん、昔なあ。一応町内会的なので顔見知り程度」 フルーツって言ったら八百屋か まぁ奥のスーパーでもいいかな 『なぁ、帰る』 「ええ、もう?なんで?具合悪い?まだフルーツ買ってねえよ?」 『悪くないけどやだ』 と、なぜか急にシバがぐずり出して どうしたんだ、と足を止める 「…シバ、じゃあそこのカフェで待ってるか?」 と、チェーンのカフェを指さして聞いてみるが ふるふると首を振る 「なんで?どうしたの?」 『………疲れたんだもん』 「じゃあここでちょっとだけ休憩しよ」 と、言ってみるがふるふると首を振る 「なんで?昼飯早かったから腹減ってんだろ?なんかちょっと食ってこうよ」 『……お前も一緒に?』 と、シバはむすっと聞いてくるから 「一緒だよ」 と、言ってやると うん、とようやく頷いた どうした?腹減ってただけなのか? 急にぐずり出したシバを不思議に思いながら カフェに入って 飲み物とホットドッグを注文し店内で少しだけ休む事にした

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