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第152話

次俺風呂入るけど大丈夫か? と、聞かれて ちょっと寂しかったけど頷いて リビングに向かう 「シバくん、お風呂上がって喉乾いたでしょ?麦茶どうぞ」 と、お母さんが冷たい麦茶をくれて いただきます、とそれを飲むと 乾いたからだにじんわり染み渡った 「今日買ってきてくれたいちごもあるわよー」 と、リビングで座ると お皿にヘタが無い半分に切られたイチゴが乗って出てきて フォークでさして食べる 『いつもフルーツって、こうやって小さく切ってるんですか?』 「まぁ、お兄ちゃん達に食べさせる時はだいたいそのままよ」 と、お母さんは言ったけど あいつもいっつもフルーツ買った時は 食べやすく一口に切ってくれるな、と思いながらぷすり、とフォークに刺す いちごうまい 「お、シバくん出たか?」 『はい、先におふろ、いただきました』 と、お兄さんにも頭を下げる 「お風呂気持ちよかった?」 うん、と頷くと 「髪乾かさないと風邪ひくぞー」 と、肩にかけていたタオルで頭をわしゃわしゃ拭かれて なんかあいつと似てるな、と思ってしまう 「ほら、シバくん。みかんも食べなー」 と、いわれ、いちごのお皿の横に置かれるけど たべたいけどおねしょしちゃうかも、と少し目を泳がす 「あ、剥いてあげようか」 『え、えっと、みかん、』 「いいよ、遠慮しなくて」 と、みかんもむいてくれて ありがとう、と受け取る 『…みかん、うまい』 「シバくんうまいって言ってくれるからどんどん食べさせたくなっちゃうなあ」 『そんな食べれないです』 おねしょしちゃうし、 みかんもいちごもたべて ふぅう、と満足の息を吐く 「シバくん冷えちゃうからこたつ入りなー」 と、いわれこたつに入ると あったかくてきもちいい こたついいなあ、きもちいい 「ほら、これ昼言ってた豆乳ココア。よく眠れるよー」 『ありがとう、』 と、それを受け取って口をつけると ほっこりする甘さで 本格的にうとうとしてしまう 『うまあ、』 「そうだろ?牛乳よりカロリーも低いから寝る前におすすめだぞ」 と、お兄さんがあたまもふわふわ撫でてくれる きもちいい、ねちゃいそう と、うとうとして 机に突っ伏してしまう しかし、 「こら、シバ。こたつで寝るな。風邪ひくだろ」 と、その声にびくりとして 顔を上げると腕を引かれ こたつから引きずり出される 『んん、なに』 「何じゃなくて寝るなら上行くぞって。ほら、歯磨いてトイレいって寝るぞ」 『まだこたつにいたい』 「寝るなら上行くから」 と、せっかく気持ちよかったのに いつの間にお風呂から出てきたのか きもちいいこたつからおれのことをずるずる引きずって 洗面所に連れてかれる 『さむい、こたつが良かった』 「だからお前風邪ひくからだめだって」 と、持ってきた歯ブラシセットを渡されて 眠いけど歯を磨いていると少し目が覚めてしまった んん、眠くなってたのに 「ほら、シバ。ちゃんとぐちゅぐちゅぺして」 と、言われた通りに ぐちゅぐちゅぺっと口元ゆすぐと上に連れていかれる 「シバ、御布団入る前におしっこな」 と、トイレの前で言われたけど 『おしっこない』 「無くない。お前ココア飲んだだろ」 『麦茶ものんだ』 「水分取ってんじゃねえか」 と、背中を押されてトイレに入るけど あんまりおしっこは出なかった 「でた?」 『ちょっとしか出なかった』 だからおしっこないって言ったのに、と 部屋に入って 扉を閉めると おれのお布団の隣にもう一個お布団を敷く 『なんでお布団ふたつ?』 「俺のだよ」 あぁ、なるほど シングルじゃ狭いか、と納得していると おれのお布団の上に家から持ってきた 防水のマットを敷く 『……なんで、これ敷くの?』 「いや、それは、」 と、目を逸らしながら言われて思い出す これって、 まえ、出張行った時に言ってた 外のベッドでエッチな事する時は普通これ敷くんだって、 今回はベッドじゃなくてお布団だけど…… それに、おれがおむつだとエッチな事できないって事もこの前言ってた おれ、今日パンツだし… と、名探偵ばりの推理力を発揮してしまったおれはすぐにわかった、 エッチな事するんだって、 だっておれ、まえ探偵事務所で働いてたし そう気付いたら なんか無駄にちょっと恥ずかしくなって、 『でんき、消して』 と、いつも明るいところでおもらしちんぽ見られてるけど それとこれとは別で 電気を消してもらって ごろん、とお布団に横になる するとこいつもすぐにおれの隣に寝てくれて ちょっとソワソワしながら 隣を見るが 『……なぁ』 「どうした?シバ」 どうしたじゃなくて、 と、焦らされているのか もやもやしてしまう 『んんん、』 「いや、なに?どうしたの?」 『なぁ、』 こっちきて、と 掛け布団を捲ってこっちに来るようにいうと よっこいせ、と近寄ってきておれの背中をよしよししてくれる うん、 いや、 『ちっがうんだけど』 よしよし好きだけど違うし 「は?」 なんで、しらばっくれるんだ、と イライラ?ムラムラ?する 「あぁ、あれな。ごめんごめん」 と、布団からでて スーツケースから何かを取り出す なんだろ、ローションとか と思ったのに 「ほら、」 と、ふわ、とバスタオルを枕元に置かれる 『バスタオル?』 「それ家の匂いするから寝れるだろ」 と、おれの枕元にそれをおいて また背中をよしよしと撫でてくれる ええ、違うんだけど ええ? おれ、これ好きだけどちがうし 焦らされてるの? ちゃんと言わなきゃしてくれないのかな こいつたまにいじわるするから、と 改まって言おうとすると恥ずかしくて 口がはくはく動いてしまう なんて、言ったら気持ちよくしてくれるかな、

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