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第168話
シバは怒って先に風呂を出ると
自分で身体を拭き
ふんっ、と当てつけのように
いつの間に買ったやら、ほぼ尻丸出しの
紐のようなパンツを履いて
これ見よがしにぷりんとした尻の上にスウェットを履いた
いや、だってしょうがねえじゃん
今日仕事だし
シバが濡らしたおねしょマットやら服やらを片付けなきゃいけねえし
シバは家を出るまでもほとんど喋らず
結び方の間違っているネクタイを結び直してやっても
ふん、と怒っていて
車に乗ってからもほぼ喋らなかった
もうすぐ会社に着くというのに不機嫌で
さすがにどうにかしなきゃな、と口を開く
「シバ、怒ってんの?」
『おこってるもん』
「ごめんて」
『おれ、おまえの舐めたいっていったじゃん。なんでおれのばっかりすんの、』
「だから言ったろ、俺が我慢出来なくなるからって」
『我慢なんてしなくていいのに。ぼっきちんぽのくせに』
と、ふんっと窓の外を見るシバ
なんだよ、勃起ちんぽのくせにって……
いや、だってあのまま続けてたら会社行けなくなるだろ
そんなに舐めたかったのか?
まぁ、シバおしゃぶり好きだしな……
と、そこまで考えた所である事を思い出す
買ったけどイマイチ使うタイミングというか
本当に使うか迷ってたやつ、
「シバ、そんなおしゃぶりしたかったか?」
『だって、言ったじゃん。おれのことキレイにしたら舐めていいって。おまえだってぼっきちんぽだったくせに』
根に持っている
俺の朝勃ち勃起ちんぽにめちゃくちゃ根に持ってる……
いや、たしかに言ったの守らなかった俺が悪いけど…、
「シバ、じゃあこれおしゃぶりしよ」
と、信号が赤のタイミングで
ダッシュボードの中からある物を取り出して
パッケージを開ける
『……なに?』
「シーバ。ほら、あーん」
と、口を開けるように促すと
怒っていたクセに素直に言うことをきいて
ぱか、と口を開くから
ちゅぽ、と
大人用のおしゃぶりを口の中に突っ込む
『んっ、む?ふぁひ?』
と、口に突っ込まれた物を確認するために口元に手を持っていくシバだが
「だめ、そのままちゅぱちゅぱ吸ってて」
と、シバの手を掴んで止める
しかし、すぐに信号が変わったから
シバの手を離しハンドルを握り直し
発進するが
シバは言われた通り
ちゅぱ、ちゅぱ、と控えめに音を立てて
おしゃぶりに吸い付いていた
『んっ、ちゅ、っむ、』
うん、楽しそう。
「シバ、それ約束してたおしゃぶりな。前言ったろ?今度買ってやるって」
『おひゃふ、…っ、』
と、ようやく口に突っ込まれちゅぱちゅぱしていたものの存在を理解したシバは
再度口元に手を持っていき
ちゅぽん、とおしゃぶりを口から引き抜く
『おれ、赤ちゃんじゃねえし!』
と、文句を言ってくるが
「だからちゃんと大人用のおしゃぶりだって。今そういうの売ってんだよ」
『おとなようの?おしゃぶり?』
と、よくわかんないというように首を傾げる
いや、まぁそりゃそうか。マニア向けだろうしな
「赤ちゃんじゃなくてちゃんと大人用のにしたんだけどシバおしゃぶり気に入らなかったかー」
『……おれ、赤ちゃんじゃねえからおしゃぶりしないもん』
と、手に持ったおしゃぶりをじっと見ながらいうシバ
「でも大人用だぞ?」
『大人用の?えっと、でも、』
「大人がおしゃぶりする時に使うやつ、」
『でも、赤ちゃんみたいな、形のやつ、』
「そっか、じゃあ次信号で止まったらそれ片付けるからそれまで持ってて」
『…、うん、』
と、シバの返事を聞き
前を向いて運転をしていると
ちら、ちら、とシバの視線がきているのがわかる
そして俺とおしゃぶりを交互に見るシバ
口では赤ちゃんじゃない、と言ったものの
気になって仕方がないのだろう
「シバ、」
『なに、』
「手に持ってたら邪魔だから咥えとけば?」
『……、じゃま、だから』
「うん、手に持ってたらなんもできないだろ?」
『……うん、』
と、シバは頷いて
少し迷って
再びちゅぽ、と控えめに口の中におしゃぶりを入れる
そして、もごもご、と少しだけ
口を動かし
控えめにおしゃぶりを吸い始めた
『ひゃまらから、くちにいれららけらから』
「うん、信号変わるまで持っててなー」
と、シバの言い分を聞いて
信号変わるまではシバに預けておくことにして
運転をしていると
シバは俺が運転に集中しているからか
最初は控えめに吸っていただけだったのに
だんだん、いつも指でしているおしゃぶりみたいにちゅ、ちゅぱ、と音を立て気持ちよさそうにおしゃぶりを吸い始め
『っふ、ちゅ、ん、』
と、口の端から声を漏らす
うん、赤ちゃんはおしゃぶりに夢中になったな、
このまま朝の事を忘れてくれたらいいんだけど
それから会社に着くまで
信号で止まることも無く
シバは夢中でおしゃぶりをちゅぱちゅぱして、
目をトロンとさせていたが
会社の駐車場について
そろそろおしゃぶりおしまいだな、と
おしゃぶりの輪っかに指を引っ掛けて
ちゅぽ、と抜いてやると
シバは少しあむあむ、と口を動かす
「会社ついたからおしまいな」
『…、信号、変わらなかったから』
「な。持っててくれてありがとなー」
と、シバの頭を撫でるが
シバの視線は俺の手の中にあるおしゃぶりを見ていた
『それ、……どうすんの?』
と、とりあえずウェットティッシュで拭いて専用のケースに入れていると
こいつの行方が気になったらしいシバはおしゃぶりから目を離さない
「まぁ、シバ要らないなら捨てるかな」
『……、いらないなんて、言ってないじゃん、』
「でもシバ赤ちゃんじゃないからおしゃぶりしないんだろ?」
『…でも、大人用のなんだろ、』
「うん、大人用のおしゃぶり」
『くがさんが、おれのために買ったんでしょ?』
「そうだな、」
だから久我さんってやめろって
『おれが、自分でどうにかするから、置いといて』
と、シバは俺の手からケースごとおしゃぶりを取って
ぽい、と自分の定位置の助手席の上に置く
『置いといて、そこ』
「わかった、とりあえずここに置いておくな?」
『うん。早く会社行こ』
と、車から降りて
車の鍵を閉める俺の手を掴み手を繋ぐシバ
「うん、そうだな」
と、そのままエレベーターに乗ると
『ちょっとだけ、ぎゅってして』
と、首に手を回して抱きついてくるから背中を撫でてよしよしする
『へへ、ぎゅってすんのすき』
と、さっきまでの不機嫌はすっかり忘れてしまったらしく甘えん坊のシバはぎゅってしたことでご機嫌になっていた
「シバー、今日帰ったらいっぱいぎゅってしような。だから今日の仕事中だけ我慢できるか?」
『うん、できるよ』
「よし、じゃあ今日の仕事頑張ろうなー」
『うん』
と、シバの背中をぽんぽん、と撫でてやると満足したようで
ちゃんとしたの仕事をする顔になったシバ
先にエレベーターから降りていったシバを見送りしゃがんで溜息を吐いた
んだよもう。
かわいすぎだろ
そりゃ勃起ちんぽになるわ
シバより、俺のが我慢つらいだろ、こんなん。
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