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第174話

おむつ履きたいって言ったのに 家だからって履かせてくれなくて おれはずっとそわそわしていた だって、昨日も今日もおもらししたし… だから、念の為おむつ履いておきたかったのな ダメって言われて でも、おれだって また床びしゃびしゃにしちゃうくらい漏らしちゃったらやだし…… この前まではうまくトイレできたのに、と ちょっと悲しくなった おれ、いつまでもおむつで赤ちゃんなのかな。 でも、服とか床とかびしゃびしゃにしちゃうよりはおむつ履いていた方がマシだから おむつ履きたい、とあいつがご飯の準備とかしている間に勝手におむつを履くことにした 前、寝室でおむつ履こうとしたら テープタイプのしかなくて困ったことあったから 今回はリビングのテーブルの下の箱から 履くタイプのやつをさっと取ってスウェットの腹の中に隠してトイレに行った あんまりごそごそやってるとバレそうだから さっさとトイレで履き替えて さっさとトイレを出てリビングに戻る 「シバ、もう飯出来るから。竜田揚げ並べといて、温めたから。火傷すんなよ」 『うん』 と、竜田揚げをオーブンから出して お皿に並べる うまそー、とつまみ食いをした うん、うまい。 「あ、先食うなよ」 『腹減ってんだもん』 と、ようやく昼ごはんの準備が整い いただきます、とご飯を食べ始める 『竜田揚げうまあ』 「これすげえうまいな」 と、言ってくれてちょっと嬉しくなる 「この竜田揚げ知ってたの?」 『ううん、調べた』 「へえ、わざわざありがとな。お前朝ごはんも食ってないから腹減ってたろ」 『ゼリーは食ってった。あと向こうでキャラメルマキアート飲んだ』 だからおしっこ漏れたけど それにほぼ液体しか摂取してないから もうかなり腹減ってた 「なんで俺が竜田揚げ食いたいって知ってたの?」 『何食いたいって聞いたらお前言ったじゃん。覚えてないの?』 寝てたのかな、答えたから起きてたと思ったのに なんか、お腹いっぱいになってきたらおれも眠くなってきた 結構歩いたし おもらしして疲れたし ご飯を食べ終わったら ちょっとだけ片付けを手伝ったけど もう眠くて ソファの方に向かう 「シバ、ソファ行く前にトイレ行けよ。お前そこいると動くのめんどくさくなるだろ」 『…ない、今おしっこないから』 さっきお風呂でおもらししてからまだそんな時間たってないし おしっこもしたくない ばふん、とソファのクッションにダイブするのが最高に気持ちよかった うん、寝れそう 『なぁあ、早く来て、くがさん』 「ちょっと待て、片付けたら行くから」 と、どっか行ってしまって まだかな、とゴロゴロしながら待っていると どこからか帰ってきて 「シバ、抱っこしようか」 と、ソファの空いている所に座って言ってくれるから 『だっこって言ってんじゃん』 と、上に乗ると すぐに背中を撫でてくれる 「シバは赤ちゃんだから抱っこすきだもんなー」 『赤ちゃんじゃないし』 「へえ、赤ちゃんじゃねえんだ」 『ちがう、』 「へぇ、」 と、言いながらもお尻をもふもふと揉まれた所で気付いた おれ、おむつ、勝手に履いたんだ もふもふされたらバレちゃう、 『……抱っこ、やめる、』 「なんで?」 『抱っこやめんの、』 と、ソファに横になる しかし、もふもふとソファに横になったおれのおしりを揉まれる 「なぁ、シバ」 『……なに、』 「俺、ついさっきトイレに行ったんだけど」 『……うん、』 「トイレにシバのパンツ落ちてたんだけど?」 と、ぴらりとさっきまで履いていたおれのパンツを見せてくる ……わすれてた、 トイレで履き替えて置きっぱなしにしていた、 「パンツ脱ぎ捨ててたからまたチビったりしたのかと思ったら濡れてねえし」 『………もらしてない、』 「シーバ、なんで勝手におむつ履いてんの?」 『………だって、』 「うん、なに?」 『おれ、床とか服とかびしゃびしゃにしちゃうのいやだったから』 「トイレ行けばいいだろ?」 『でも、漏れちゃうかも、』 「勝手におむつ履いちゃうなんてシバは赤ちゃんだなー」 おいで、と抱っこしてくれて ぽふぽふとお尻を撫でられる 「そう言えば兄貴のところの赤ちゃん、虎太郎なー」 『うん、赤ちゃん』 「退院したんだって。ミルクのんでどんどんでかくなってるらしいし顔も変わるって」 『顔も変わるの?』 「変わるよ、浮腫が取れてすっきりする」 『へえ、しゃべる?』 「まだ言葉は喋んねえだろうけど。シバと一緒でいっぱいおむつ汚してるよ」 『…なんでそういうこというの』 「シバが自分でおむつ履く赤ちゃんだから」 『赤ちゃんは自分でおむつ履けねえもん』 「……ごもっともだけど」 『それにおまえおれにおむつ履かせんのすきじゃん』 「……そんなことねえし、」 『昨日してくれたじゃん、昨日はおむつにおもらししても怒らないって言ってくれたし』 「昨日はなー」 『なんで今日はダメなの?』 「シバおむつ履いてるとトイレ忘れちゃうだろ?」 『…忘れない、』 「本当か?じゃあ今念の為トイレ行ってみ」 そんなの、出ないし、と思いながらも トイレに行くとおれの後ろを着いてきて おむつからちんちんを取り出してトイレに向けてくれる すると先っぽがむずむずして じょぼぼ、とたくさん水が零れた 「ほら、出た」 『……トイレきたから、出てるだけだもん』 「でも沢山出てるぞ?シバのおなかの中におしっこ溜まってたんじゃねえの?」 『……ちがうもん、』 おしっこしたい感じなんてなかったし パンツにしようなー、とおむつを脱がされてしまった 「それに俺、前から言ってるけどお前におむつ履かせんのも好きだけどお前のびしゃびしゃのおもらしちんちん拭いてやんのも嫌いじゃねえから気にすんなって」 『……変態じゃねえか』 「シバ、口が悪いぞ」 でも、やっぱりおれがおもらししても嫌いにならないようでちょっとだけ安心した

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