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番外編 兄さんに抱かれた日 *リバするよ。地雷は避けてね。
「んっ。」
躰が熱を帯びて疼く。今夜、僕は兄さんに抱かれる。
「好きだよ、兄さん。」
「うん、秀磨。俺も秀磨の事好き。」
本当は処女も兄さんに貰ってもらいたかったけれど、しょうがない。あれは、必要犠牲だ。あれを受けておかなければ、兄さんが今いる日常を作ることができなかった。
「…触ってくれる?」
兄さんの手を胸にやり、腕に頬を擦り付ける。
「うん。」
ふにゃりと笑って、兄さんの顔が近づいてきた。
「んっ。ふぁっ。」
乳首をこねられ、声が漏れる。
「んっ。んんっ。ふっ。」
気持ちいい。兄さんが触れてくれるところ全てが溶けそうだ。
「秀磨、乳首気持ちいんだ。まあ俺も似たようなもんだからそうか。兄弟だし。」
兄さんが楽しそうに笑ってさらにそこをいじめてくる。
「んんっ。にいさっ気持ちっ。ふぁっ。」
身体中が熱い。兄さんの手が触れる度にゾクゾクとして腰が浮く。
「ふふ、秀磨。気持ちよさそう。俺もいつもこんな顔してるのかな。」
兄さんはやはり楽しそうに僕の躰をいじくる。
(兄さんって、あの男に抑制されていただけで意外とSなのかな。)
そんなことを考えていると、兄さんの手が下の方へと伸びてきた。
「こっちも触るね。」
「ん。」
コクリと頷いて、兄さんに躰を預ける。
「んんっ。」
兄さんの指が、腹の中へと挿しこまれる。
「秀磨、痛い?辛くない?大丈夫?」
兄さんが心配そうにこちらを見てくる。きっと、自分があの男にやられたことを思い出しているのだろう。
「ん、大丈夫。もっと挿れて、動かして、兄さん。」
ベッドシーツを掴んでいた手を兄さんの首の後ろへと回し、抱き着くような体勢になる。
「じゃあ、お言葉に甘えて、そうさせてもらう。」
「んんんっ。」
一本だった指が三本に増え、腹の中で別々に動く。
「んっ。んんんっ。あああああああっ。」
快楽に飲まれ、絶頂する。兄さんの肌を少し汚してしまった。
「これだけでイッたの?秀磨、可愛い。」
兄さんが愛おしそうに僕にキスをする。僕もそれに応えて、兄さんの口から伸びた舌を受け入れる。
「んっ。んんっ。ぁっ。んんっ。」
兄さんと僕の唾液が交じり合って、溶ける。ああ、もう、このまま一つになってしまいたい。
「はぁっ。」
糸を繋いで口を離す。兄さんの頬は紅潮していて、興奮していることが見て取れた。実際、下を見るとそこは昂っていた。
「そろそろ挿れるね、秀磨。」
兄さんのモノが、入口へと付く。
「ん、頂戴兄さん。いっぱい突いて、ハメこんで。」
僕は自ら腰を擦り付け、それを招き入れた。
「んっ。ああああっ。んんんんんんんんっ。」
腰が痺れて感覚が麻痺してくる。もう何度目の絶頂だろうか。
「秀磨、沢山イクね。メスイキ気持ちぃ?」
兄さんが耳元でそう囁く。
「んっ。気持ちぃよ。兄さんこそ、僕なんかで気持ちいいの?」
「うん、秀磨のナカすっごい気持ちいい。っていうか、秀磨が俺に突っ込まれて感じちゃってるのほんと興奮する。顔トロトロだし。俺以外の前でそんな顔見せないでね。」
兄さんがそう言って僕の額にそっとキスをする。
「自分の奥のトコ、兄さん意外に見せる気はないよ。全部、兄さんだけ。」
回している手にぐっと力を籠め、兄さんを抱きしめる。そして、
「それより続き、シよ?」
兄さんの耳元でそう囁く。
「可愛い秀磨。もっと可愛いがらせて。」
兄さんも僕を抱きしめ、そして、
「ふぁっんんんんんっ。」
奥深くを、突いた。
翌日。
ピチチ。ベタなことに、鳥の鳴き声で目が覚める。
「ん…。」
カーテンにできた僅かな隙間から、光が零れている。
(兄さん、すごく可愛かったな。)
昨夜、兄さんは楽しそうに、気持ち良さそうに笑っていた。僕に抱かれている兄さんも可愛いけれど、やはり僕を抱いている兄さんも可愛い。
「ん…秀磨?」
兄さんがまだ眠そうな声で僕の名前を呼ぶ。
「おはよう、兄さん。」
そんな兄さんに身を寄せ、兄さんを呼ぶ。
「おはよぉ、秀磨。」
それに返すように、兄さんも僕を呼ぶ。
「兄さん。」
兄さんの頬に手をやり、兄さんを呼ぶ。
「ん?」
兄さんは、その僕の手に自分の手を重ね、僕を見る。
「愛してる。大好きだよ。」
幸せを籠めて、愛を告げる。
(永遠に、永劫に。どちらかが死んだとしても、輪廻を巡ったとしても。愛してる。)
愛は、終わることも、絶えることもないから。
「俺も、秀磨の事愛してる。大好き。」
兄さんも、笑顔で僕に愛を告げてくれる。
「うん。」
その時、確かに僕たちは永遠になった。
愛とは、永遠に途絶えることのない執着である。
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