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「俺はこんな可愛い涼を知っているのが 世の中で俺だけってのが一番幸せだけどね。 だから誰にも俺の幸せは分けたくない。 知られたくないから 涼が他人から そう思われてる方が嬉しいけど。」 ね。と微笑むと 涼は恥ずかしくなったのか 顔を赤らめながら そうだけど。。と ぶつぶつ言い始めた。 うん。 少し復活かな。 恥ずかしさが勝り イライラもとりあえず 何処かに行ったらしい。 じゃあ。 「涼。お腹空いてる? 隣のパン屋さんが バゲットくれたから食べる?」 棚からバゲットを出し 軽くトーストし 冷蔵庫を開けて 昼間作っておいた レバーペーストをガラス容器に入れる。 焼き立てパンが評判の店なんだけど よく食べて。と持ってきてくれて 代わりにポットでコーヒーを差し入れたりの 物々交換をする関係。 この店のバゲットは みっしりと詰まっているのに 柔らかく 皮がパリッとしていてバランスがいい。 わあ!と嬉しそうに笑みを浮かべる涼の口に レバーペーストをたっぷり塗った薄切りバゲットを ポンと放り込むと モグモグと咀嚼した。 「新が作るレバーペースト。旨いんだよなぁ。 全然臭くないし ブランデーのまろみに ガーリックの風味が相まって。。 今じゃホント大好物。滑らかでさぁ。 俺 レバーってあんまり得意じゃなかったのに。 それにこのバゲット。これがまた ホントすごいんですよ。パリフワ。」 皿に並べてカウンターに置くと 早速 ペーストをたっぷりと塗りパクパクと食べ始める。 うんうん。と満面の笑みを浮かべた。 良かった。 誰でも腹が減ってると余計ネガティブに なりやすいしね。 涼は特にそう。 ただ 切り替えが早いのは涼のいい所で 吐き出しちゃえば すぐに忘れていつもの涼に戻る。 そのお手伝いをしてあげればいいだけ。 それに弱っている時は結構甘えたで可愛いしね。。

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