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「なんだこれ。すげえ旨い。」 そう思わず声を上げると 新はテーブルに 肘をつき ニコッと笑みを浮かべた。 「でしょ。薬味が主役なの。サッパリしてるから 食欲無くても 入りやすいしね。 ちょっとバテてるんじゃないかと思って。」 「あー。うん。夏休み期間だから人も少なくてさ。 バタバタ慌ただしくて 確かに ちょっと 食欲落ちてるかも。」 昼飯も車の中でパン齧って済ましちゃったし 接待で焼き鳥摘んだけど ホント形式上だけ。 この薬味納豆ご飯で 重く沈んでた胃が よしっと動き出した気がした。 多分千切りしょうがの量が決め手。 塩梅が絶妙なんですよね。ホント。 「薬味の上から この出汁かけて お茶漬けにしても美味しいよ。」 新が指差した急須の蓋を取ると ほわんとカツオの香り。 おー。いい匂い。。 「うん。これ食ったらお代わりして それ やってみる。」 なんか急に食欲出てきたな。。 ガシガシ夢中になって食ってる俺を 新はニコニコ嬉しそうに見つめていた。 いつもそうなんだけど 飯を食う俺をじーっと見る。 最近はだいぶ慣れたけど 最初はもう 恥ずかしくて 恥ずかしくて。 なんで。 こういう時は まず会話。 「女子ーズの皆さんに かなり攻撃されてたな。」 さっきの様子を思い出して そう言うと 新は ああ。と苦笑いを浮かべた。

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