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親孝行

「だぁああ。だ。だだだだ。」 うーん。 涼介は首を捻る。 何言ってんだろ。 宙を彷徨う小さな手に指を出しだすと ぎゅっと握られた。 いいから一回帰ってきなさい!って 母ちゃんから電話が入り 忙しいんだよ~ もう。。と文句を言いながら それでも仕事帰りに実家に寄る。 まあ。正月に顔を出したっきりで 電話もメールもほぼほぼ適当にしか 返事してなかったしな・・。 「あんたは全く。ほっとくと全然連絡もしないで。」 ぶつぶつ言い続ける母親を横目に 姪っ子の愛梨を抱きかかえた。 「だだぁあ。だ・・・だあ・・。」 俺のネクタイをむんずと掴み また何やら喋ってる。 なんだかわかんないけど ご機嫌で何よりです。 泣かれたらもっとわかんないし。。 流石 姉ちゃんの子供って感じ。 人見知りもしないし 喋れもしないのに ちゃんと自己主張してる。 「だから。今 忙しいんだよ。 人も足りないしさ。休日出勤とか・・。」 言い訳なんて聞いて貰えた事ないけど とりあえずそう言ってみると 案の定 ギロッと睨まれた。 「新くんに迷惑かけてるんじゃないの? あんたなんてご飯だって作れないし 掃除だってまともにやらないんでしょう。」 ああ。さすが親だからすべてお見通し。 はい。 全くその通りです。。。

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