24 / 292

6

この人みたいだったら みんな満足なんだろうな。 俺だって そうだったら良かったのにって 思う事くらいはあるし。。 また劣等感が湧き上がり 自分で自分が嫌になる。 これでいい。 自分は自分らしく 新と生きていくんだって 決めても 結局中身はそう簡単に変わらない。 情けないけど。 ね。 うん。 「ありがとうございます。じゃあ。。」 もう一度頭を下げて 歩き出すと 涼くん。とまた声がかかった。 「・・はい。」 泰雄さんは呼びかけたクセに少し躊躇し それでも うん。と口を開く。 「親はどんな子であってもいつも大事に思ってるよ。 例え 自分の思うような子に育たなかったからって 産まなきゃ良かった。自分の子供じゃないなんて 思わないと思うんだよね。」 え。 どんな子って。。 な・・何の話? 驚いて 口が開く。 この人 一体何を。。 「新くんとの事。いつか話してみたら いいんじゃないかな。 それならそれで 何で早く言わないのっ!って お義母さんも言うような気がするんだけど。 ああ。まあ義理の俺が言うのも おかしな話なんだけどさ。。」 いやいやいやいや。 ちょ・・ちょっと待って・・。

ともだちにシェアしよう!