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「泰雄さん。あのー。」 ああ。と泰雄さんは頭を掻いた。 「俺が口出す事じゃないんだけどね。 涼くんも辛そうだったし。つい。」 え。 じゃあ。。 「あの。泰雄さんは俺と新の事。。」 「ああ。。うん。そっか。。やっぱりね。 いや。俺というか。静香ちゃんがね 前に言ってたんだよ。 涼くんが家を出るってなって新くん連れてきた時 俺たちも呼ばれて行ったでしょう。 その帰りにさ。あの二人 仲良すぎない?って。 確かに そう言われてみればね。 距離感も近いから ああ。そういう事なのかってね。 あ。でもご両親は今も気づいていないよ。 静香ちゃんは ほら。鋭いからねぇ。。」 ええ。。 嘘。。マジか。 「俺は実家も離れてるし 三男坊だからさ。 兄貴が本家で親の面倒見ているし 何も期待されていないんだ。 だから静香ちゃんに親との同居を切り出された時 全然構わなかったのね。お義父さんもお義母さんも いつも良くしてくれるし。静香ちゃんも 仕事しながらの子育てだから お義母さんが そばに居る方がいいと思ったし 婿でもいいよって言ったんだけどね。 でも。多分 静香ちゃんはそれだけで俺に頼んで きたんじゃない。長男の涼くんに気持ちの負担を かけたくないって思っていたんじゃないかと思う。」 「気持ちの負担・・。」 まさにそれだった。 結婚出来ない。 子供は作れないから 孫を見せてやる事も出来ない。 長男なのに。 期待されているのに 応えられない。 その負担に押し潰されそうになっていた時 姉ちゃんが実家で親と同居するって聞いて。 ホッとした。 少なくとも 俺がしてやれなくても 姉ちゃんがやってやれば・・って。 まさか 姉ちゃんが俺の気持ちを汲んで そうしてくれたなんて。 ちっとも気づかなくて その上 義理の息子咥え込んで戻ったからいいだろなんて・・ クズじゃん。俺。 って事ですね。

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