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「デートプランは俺に任せて。って事。」
ね。とウィンクすると 涼はデート・・と復唱し
もじもじ恥ずかしそうにしながら うん。と頷く。
それでも案の定 ぶつぶつ異議を唱え出した。
「でもさぁ。デートったって・・。」
一緒に住んでるとね。
なかなかデートと呼べるような事も出来ない。
というか 涼が思うデートにならない。
外で飯食う事もデートだよって言ったら
どうもピンと来なかったらしく
「飯食うだけがデートになったら
近所のコンビニにアイス買いに行くのも
DVD借りに行くのも 全部デートに
なっちゃうじゃん。」
不満げに それは違うよなぁ。。と首を傾げていた。
今まで誰とも付き合った事が無い真っ新な涼は
勿論デートもした事が無い。
それにゲイカップルだから 白昼堂々と
手を繋いで歩く訳にもいかない。とか
イチャイチャしながら夜景見たりなんて
出来る訳ないじゃん。なぁ。とか。
デートそのもの自体を完全に諦めてる。
まあ。デート=イチャイチャって観点自体が
ちょっと乙女で。
そこも可愛いんだけどね。
一緒に映画を観に行って 暗がりで手を繋いだら
「これ。デートっぽかったよな!」って喜んで
それからはたまにレイトショーに行きたがる。
流石にね。
それだけがデートだと思われたら
策無しみたいでかっこ悪いでしょ。
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