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「チーズフォンデュ。。キャンプで?」
ニヤッと笑う新はお手本を見せるように
チーズの切れ目を少し広げ その中に切って
同じように焼いたパプリカを潜らせた。
ああ。ホントだ。
チーズが絡まって。
新はパクッと口に入れる。
「うん。旨い。」
えー。
ホントに旨そうに口をモグモグ動かす様子に
堪らずアスパラをチーズの中に突っ込んだ。
おー。ヤバイ。
トロトロって素敵。
チーズを万遍なく絡ませて口に放り込む。
あー。
「シンプルだけど旨い。これ野菜自体も旨いな。」
「やっぱり気づいた? 知り合いの農家さんから
直送して貰ってる野菜なんだよ。
店でも評判良くてね。」
新はわかってくれて嬉しくて仕方がないとでも
言うように目を細めた。
野菜を褒められて嬉しいとか。
どんだけ生産者さんの顔浮かんでんのよ。
ん。
なんか聞いた事あるよーなフレーズ。
ちょっと違うな。何だったかな。。
考えながらまたアヒージョをパクリ。
ビールをゴクゴク。
ぷはぁーーっ。
「あー。幸せだぁ。」
つい呟くと 新は満足気に笑みを浮かべた。
「で。コイツが極めつけ。」
端に置いていたスキレットを前に移動する。
ん。
「な・・何だ。これ・・。」
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