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パチパチと燃える音が静寂に響く。
そう。
違う。
俺が逃げたい現実は。
自分自身。
「・・新に・・軽蔑されたく・・なくて。」
吐き出して 新に嫌われたくなかった。
こんなクズと一緒に居るのかって。
思われたくなくて・・。
そのクセ 自己防衛かまして 余計心配させて。
それこそ何やってんだって話だけど。。
情けない。
つい俯くと ぎゅっと手を握られた。
「そんなの思う訳ないでしょ。伝わってなかった?
じゃあ 俺が涼をどんだけ好きか言おうか?
えっとねぇ。。」
いやいやいやいや。
思案顔の口を両手で慌てて塞ぐ。
「いいです! もう・・恥ずいだろ・・。」
伝わってます。
存分に。
こーゆーとこ。
外人みたいなんだよな。
普段から愛情表現たっぷりで コッチが
居た堪れなくなるくらい。
くすっと笑い合い 気持ちがすっと軽くなる。
優しい瞳が大丈夫って言ってくれている。
・・そうだな。
今更 何 取り繕ったって。。
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