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「泰雄さんに・・言われたんだ。 姉ちゃん。勘づいてるって。俺の事。」 涼はカップをぎゅっと握りしめた。 「俺の気持ちの負担。軽くする為に 親と同居したって・・。」 「泰雄さんが? そう言ったの?」 うん。と頷き カップに口をつける。 うーん。 新は首を捻りながらも 内心の疑問はとりあえず 置いておき 黙って続きを待つ。 「俺さ・・クズだなって思って。。自分。 泰雄さんに 特殊なケースだからとか。 それでも俺たち夫婦は理解してるとか。 姉ちゃんは異性だから話辛いだろうから 相談乗るとか言われて。。 わかってんだよ。感謝しなきゃいけないって。 俺のせいで同居を決めたなら余計に。 だけど・・。」 涼はそこまで一気に言って ぐむっと口籠った。 そっか。 そうだよね。 涼の気持ちは痛いほど分かる。 ましてやそれを他人の口から聞くなんて。 「なんでそれがクズなの?」 スパンと聞き返すと 涼は へ?と顔を上げた。 「な・・なんでって・・。」 「当たり前じゃない? 納得いかないの。 それに一体何が特殊なケースなの? 理解とか。恩着せがましいよね。 お姉さんが言ったならまだしも 他人に 言われるような事じゃないと思うけど。 あの人が涼の何を理解してるっていうの? 確かに ゲイはまだなかなか認められないし マイノリティだけど 下に見られるの おかしいよね。ましてや相談とか。 何様って怒っても良かったんじゃない? 俺なら アンタに相談する事なんか何も無いって 言い返しちゃったかも。」 ズズッとホットウィスキーを啜ると ポカンと口を開けながら聞いていた涼は へなっと眉を下げ 苦笑いを浮かべた。

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