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細身なのに 涼は本来はよく食べる。 前は何でも大盛りが当たり前で。 でも ここ最近 食が細くなっていて心配してた。 それでも出した物は旨いって平らげてくれるけど デザートに焼き芋なんて最近の涼なら考えられない。 やっぱりキャンプにして良かったかな。 そうだね。確かに現実忘れられてるのかも。 「はい。どうぞ。ホイルの中に新聞紙も 包んであるから 剥く時気をつけてね。」 軍手の上に塊を置くと アチアチ言いながら 涼は芋を二つに割った。 「紅あずまだ。馴染みがあるし甘味も強くないから 俺は安納芋とかよりこっちが好き。」 ハフハフしながら 芋に齧りつく。 「んーまぁーい。」 満面の笑顔で 半分俺に渡してくれる。 二人で焼き芋を食べながら 焚火を眺め ホットウィスキー。 「新。」 「ん。」 「デート。すげえ楽しい。ありがと。」 うん。 嬉しいけど。 だから拷問なんだってば。 可愛い笑顔に ワザとらしくため息を返し グイッと腕を引いてみると 涼は慌てて ブンブン首を振り 芋を口に突っ込んで ゴホゴホとむせ返った。

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