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まあ。まあ。 ちょっと待ってって。。 「同じ会社で取り扱ってる商品なんだし 誰が売ったって構わないよ。俺だって 最初の数年は先輩の土壌分けて貰ったし。 木崎だってそうだっただろ。」 そうですけど・・。 不服そうに唇をとんがらせる。 三沢は俺に蔑むような瞳を向けた。 「じゃあ何も問題無いですね。課長。もう・・。」 「但し。」 被せるように遮る。 「お前。どうしてその商品を勧めたか説明出来るか? 全部の店舗だ。お前が行き提案した店。 注文を取った全店舗。」 鞄から資料を出す。 「まあ。とりあえずクレームがあった3つでいいよ。 なんで これを勧めて注文を取った? 例えば。銀ラーメン。」 各地に5店舗展開するラーメン屋さんで 淡麗系の醤油ラーメンが大人気の繁盛店。 うちはそこで薄口醤油を使って貰っている。 「銀次さんに聞いたけど 今までのと品質は 変わらないけど安いから使ってくれって 言ったらしいじゃん。品質変わらないって 全然違うだろ。見た目は変わらないけど 味は全然違う。醤油も種類があって・・。」 「そんなのわかりませんよ。叶さんが入れている うちの製品は高いから量入れてくれない じゃないすか。店だって使うメニューを絞ってるし。 こっちなら何でもイケるし安いって言ったんです。」 わかりません・・ね。 「わかるんだよなぁ。それがさ。」 銀次さんに渡されたグルメサイトの口コミを プリントアウトした紙を はい。と三沢に渡した。 文字に視線を滑らすと 顔色が サッと青くなる。 「銀次さんもさ。怖いから即全店舗で使うのは 躊躇したみたいで とりあえずお前が入れたのを 本店で昼だけ使ってみたらしい。 味は明らかに違うんだけど まあ。コスト削減は やっぱり魅力的だからな。5店舗もあるし。 客が受け入れられるなら それが一番いいんだし。」 人気店のサガっていうヤツで 結果は即現れた。

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