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セルフプロデュース。。 「で。涼は自社製品を使って 各店舗とその使い道を 一緒に考えて メニューまで作りあげてるじゃない。 企画営業って仕事もあるみたいだけど 涼の場合は もう商品開発。プロデュースだと思うけど? 別料金取ってもいいレベルだよね。」 へ。 そうなの? 「いや。でもさ・・。」 「うん。否定してるんじゃなくて。 だから 営業としては手を抜いてたって話じゃ ないって言いたいの。そうでしょ? 店の経営はオーナーの責任。 安さに目が眩んで 味を妥協した人の責任で。 客離れが起こったとしても 涼が気づかなかったからじゃない。 そこまで気にしてあげるなら 正式に プロデュース料を取るべきだよ。 今のやり方に問題があるとしたら そこかな。 まあ。でも 無償で店の為に 親身になってあげる 涼だからこそ 俺は尊敬してるんだけどね。」 ・・そうなんだ。 合わない物は売りたくないって それだけなんだけど。 でも確かに 味を落としても コストを優先するかは 結局 その店のオーナーが決める事で。 難しいよな。。 悩む俺を伺いながら 新は口を開く。 「涼は涼の思うままにやればいいと思うよ。 企業に居る上で 今までもこれからも なかなか 難しい事も多いだろうけどね。その考え方は。」 ポンポンと頭を叩き ニコッと微笑んだ。 そうだな。 それしか出来ないし。 「うん。ありがと。」 新にそう言って貰うと 大丈夫な気がする。 礼を言うと グラスを洗い終えた新は カウンターから出てきて いつものように ひょいと俺を抱え上げた。 俺。成人男性ですけど。 って前言ったら だから?って聞き返されて もうそれからは成すがまま。 「じゃあ。お風呂入っちゃおうか。 今日は草津にしましたぁ!」 最近 何故か入浴剤に凝っていて。 旅行に行けない代わりに温泉気分を味あわせようと してくれてるのか それっぽい黄色い桶まで 買ってきて。 ホント優しいよな。 何も言わないけど いつも俺の気分が上がるように 考えて サポートしてくれる。

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