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「新。ホントありがとな。毎日。助かってる。」 自分に自信が無くなったり 嫌な事があったり。 愚痴になっちゃったとしても。 新と話をすると よし。まあいいか。と 気分良く終われるんだよな。 こんな風に吐き出せるのも 新だけだし。。 階段を上がりながら そう言うと うん。と嬉しそうに頷き あ。でも。と真顔になった。 「もし。今の仕事 続けるの厳しくなったり 辞めようかなって万が一思う日が来たら。」 え。 辞める? 新は脱衣所にストンと俺を下ろし 顔を近づけ 瞳を覗き込む。 「その時は絶対にまず俺に話してね。約束。」 約束? ・・うん。 まあ。。 「ああ。わかった。。でもなんで。。」 新は俺の服を器用に剥ぎ取り ニヤッと笑った。 「その時は 俺がプロデューサーとして雇うから。 ちゃんと対価は払うよ。 涼。全然気づいてないけど 涼の舌は金になる。 だから 誰にも渡さない。ね。」 そう言うと チュッと額に口づける。 ・・金? なんで? 戸惑う俺を 新は はいはい。と急き立てるように 風呂場に連行し シャワーを浴びせると ぎゅっと抱きしめて 唇が合わさった。 息が上がるほど激しく吸われ やっと離れると 濡れた髪を掻き上げ 新は俺の尻を グイッと持ち上げる。 ヤベエくらいにカッコいい。 はむはむと唇を甘噛みしながら 新は甘い声音で囁いた。 「俺は涼が一番旨い。一生かけて色々試して もっと美味しく食べさせてね。」 「バ・・バカ・・何言って・・あっ・・。」 口をまた塞がれ 這い回る大きな手にビクンビクンと 身を震わせながら ふと思う。 ああ。食い物に感情があったら もしかしたらこんな気持ちかな・・。 どうせなら 美味しく食べて。って。 ・・・。 オッサン キモいわ。 涼介は諦めたように快感に身を任せた。

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