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新は電話を切り携帯を仕舞う。 「温泉行く途中で居なくなったんだって? 叔母さん心配してたよ。」 咎めるようにそう言うと ジーンは唇を尖らせた。 「ちゃんとさっきアラタの所に行くって 連絡したもん。アラタ電話番号変えたのか 繋がらないって返事来たし。」 ああ。この間 携帯のキャリア変えたからか。 めんどくさいから番号は引き継がなくていいやって 言ってて。店の電話があるし 携帯は 近しい人しか知らないから連絡する方が早いって。 外国にいる親戚に伝えるのは後回しにしたんだろう。 はぁ。とため息をつく。 普段クールな新も流石に従兄弟には冷たくも 出来ないんだろうな。 「タクシー呼ぶから 駅に行って叔母さんの所 帰りなよ。わかるでしょ。」 「やだ。帰らない。」 ぎゅーっと腕にまたしがみつく。 ズキンと胸に痛みが走るのは俺の心が狭いせい。 従兄弟ったって コイツ完全にそういうつもりで 甘えてるのがわかるから。 邪険に出来ない新の事がわかってて 俺に見せつけてる。 ってヤツですね。 はい。 いくら言っても 了承しないジーンに呆れ果て 新は違うアプローチを試みる。 「じゃあ ホテル取るから。今日はそこに泊まって 明日朝帰って。それならいいでしょ。」 「アラタも一緒に泊まる?」 ジーンはキラキラと瞳を輝かせ そう聞いた。

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