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十条?
珍しいな。
歩きながら電話に出ると 騒音が響く中
十条の低音ボイスが聞こえてきた。
「涼介。今 お前何処だ。」
何処って。
「今日直帰だったからさっき地元戻ってきたけど。」
「飯は食ったか。」
へ?
「ああ。今からなんか食おうかと。。何でだよ。」
後方から 叶さん!と大声で呼ぶ声が聞こえる。
あー。
それか。。
悟ったのがわかったのか十条はフッと笑い
「お前の若い衆二人 揉めててうるせえから
上司に説教して貰おうと思ってな。
いつもの店。いいな。」
返事も聞かずに 一方的にそう言うと電話が切れた。
えー。上司って。
一応そりゃ役職はついてるけど 基本的に営業って
個人商店なんだよなぁ。。
ましてやうちのチームは特に・・。
それにわざわざ電車乗ってかよ。
んー。
でも。
まあいいか。
今は正直 一人で居たくない。
普段なら頑として断るけど
それこそ現実逃避したいですから。
うん。
せっかく久しぶりに飯行こうと思ってたのにな・・。
新がお客さんに聞いたっていう焼肉屋さん。
アイツも楽しみにしてたのに。
焼肉だけは一人で食っても旨くない気がするから
なかなか行けなくて。
それにその後久しぶりにホテルでも。。なんて
話してたから明日午後出勤にまでしたのに。
・・・。
まあ。しょうがない。
・・ですよね。
はぁ。。と息を吐き 気持ちを落ち着かせた。
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