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「あー。大丈夫。三沢もちゃんと謝ったし。 最近は結構いじられて いい感じ。」 細々と説明する気にはならず そう要約すると そっか。と服部は微笑んだ。 ああ。と何か思い出したように十条は口を開く。 「糸唐辛子な。B級品なら値段下げて卸しても いいって言ってたぞ。」 「あ。マジで? それって味には影響無いのか?」 桜井さんの照り焼き丼。 黄身に糸唐辛子がいいかもって話になったんだけど やっぱりコストの面で引っかかって。 ランチの丼なら 多少不揃いでも使えるんじゃ ないかと十条に相談してみた。 開発は他部署と距離が近い。 「無いな。要は規定の長さから漏れた物だったり 切り落としや加工過程で切れた破片で 通常は捨てている。売り先があるなら まとめて卸しても構わないそうだ。」 それなら充分使えそうだな。 「今度現物貰えるかな。サンプルで。言い値とさ。」 そう頼むと ああ。と十条は頷く。 多分 コイツの事だから 既に 話固めてくれてるんだろう。 売るとなると他部署の合意が必要で 俺に話した時点で それもきっと全て調整済み。 「醤油の礼だから 大した事じゃない。」 俺が感謝の意を示す前に さらっとそう言って 立ち上がった。 あー。煙草か。 今はどこも簡単に吸えませんからね。 「相変わらずクールですねぇ。」 喫煙所に歩いて行く背中を眺めながらそう言うと 服部はくすっと笑った。 十条が驚いたり はしゃいだりするのを 見た事は一度も無い。 たまに 後輩にあの低音ボイスで ダメ出ししてんのくらいか。 俺もはみ出し者だけど アイツもかなり変わってる。 「お前が開発に来なかったのはこの会社の 汚点となるだろう。」 なんて真面目な顔して言ったりするし。 文系出身者が開発行ける訳無いのにな。 企画ならともかく。 ・・企画。 プロデュース。。

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