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涼が帰っていないのはすぐにわかった。 新はベッドルームをぐるっと見渡す。 ベッドに乱れがない。 涼はかなり大雑把な性格で 着ていたスウェットは いつも脱ぎっぱなし。でも 俺がセットしておいた まま ベッドの上に置いてあった。 何処に泊まったんだろ。 実家に帰る筈は無いし。 携帯にも何も連絡は無い。 まあ。多分 向こうも同じような心配している だろうから 連絡しづらいんだろうし 闇雲に責め立てる訳にもいかないけど。 涼が浮気とか。 考えた事は無い。 でも 本人が気づいていないだけで かなりモテる。 うちに来る そっち系の客からも可愛いと評判で 威嚇してるから手は出してこないけど 内心いつも心配してる。 帰れと言ったのに ジーンはついてきて 腕に纏わり付いた。 「アッチも楽しくやってたんじゃないの。 もういいじゃん。アラタ。どっか遊びに 連れてってよ。ね? いいでしょ?」 沸々と腹わたが煮えくりかえる。 元はといえば コイツが・・。 階段を降りて 鞄を掴むと ジーンに向かって 放り投げた。 「帰れ。これ以上迷惑かけるなら 一生許さない。 従兄弟とも思わないから 俺に二度と関わるな。」 キツイ口調にジーンはみるみる涙を溜める。 もう。ウンザリ。 「出て行け!」 「・・新。どうしたんだよ。。外まで 怒鳴り声響き渡ってんよ・・イテテ・・。」 店のドアが開き 顔をしかめながら涼は 中に入ってきて そう言った。 髪は乱れ 見るからにボロボロ。 「涼! 何処行ってたの? 帰らなかったでしょ。」 咎める権利もないのについそう責めてしまう。 ああ。とまた眉間に皺を寄せた。

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