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で。 行けなかった焼肉に連れてってくれ 普段は割り勘なのに全部奢ってくれて。 いやー。ホルモンがやばかった。 プルプルふわふわ。 新鮮で臭みゼロ。 あー。ハラミも柔らかくて。 ちゃんと肉としての弾力を感じながら それでいて トロッと溶けるよう。 そうっ! タンがまた極上極厚。 さくっと歯が入る あの感覚がもうーっ! 最高でございました。 他も全部旨かったし また来ようって約束して。 その後連れてこられたのがこのホテル。 ラブホとかじゃありませんよ。あなた。 ドーンと聳え立つ有名ホテルの最上階。 「新さん。あの。これはやりすぎじゃ・・。」 いわゆるスイートルームっての。 ですか? 一泊いくらすんですか。これ。 「いいの。旅行だってなかなかいけないんだし お金の使い道だってほとんど無いんだから こういう時くらいは贅沢してもいいでしょ。」 新は驚きビビる俺をなだめるようにそう言って くすっと笑う。 そりゃね。 新は確実に儲けてると思う。 一緒に居てもお互いの金回りは話さないけど 仕事柄なんとなくは想像がつく。 大人気の繁盛店だし やり手だし。人気あるし。 ランチは外まで人が並ぶ。 細かい話をすると一人で回してるから 人件費はかかってないし おじいさんの店を そのまま継いでるから税金以外家賃もかからない。 建物自体が所有物なんだもんなぁ。。 店やってて経費が少ないのはやっぱり利点だよな。 家賃って意外と比重重いし・・。 って。そういう話じゃないか。 「じゃ・・じゃあここは割り勘で・・。」 俺も食う事しか興味が無いから 金はそれ以外にはほとんど使わない。 生活費だって新がなかなか受け取らないのを 無理やり渡してるぐらいで それだってワンルームの家賃程度。 ゲイの行き先考えると貯金はマストですけどね。 でも 新の言う通り たまの贅沢くらいはいいよな。 だけどこの提案も受け入れては貰えなかった。

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