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「お詫びも兼ねてるのに割り勘にしたら 意味ないでしょ。いいの。 今日は存分に甘やかされて下さい。」 で。 この夜景ですよ。 キラキラ~なんてね。 まあ。デカいリビングで。 フカフカのL字ソファーに高そうなテーブル。 奥にはダイニングテーブルが置いてある部屋と ベッドルームに デカイジャグジー付きバスタブが あるバスルーム。 とにかくゴージャスなのに品が良い。 「デートで夜景とかも見れないしって 前言ってたの覚えてる?」 新は横に並んで俺と同じように ガラス窓に顔を近づけるとそう聞いた。 あー。 言ったかも。 ゲイカップルでデートって出来ないよなって 話をなんだったかしたんだよな。 そん時の例として挙げた中に 確か夜景なんか見たり出来ないって言った筈。 元々デートなんてした事も無い。 人と付き合った事が無いんだし。 だからデートの固定概念的なイメージで 夜景見るだの外で手つなぐのとか出来ないよなって 口にしただけなんだけど・・。 「それでここにしたのか?」 「色んなホテルがあるけど 中でもここは 夜景が綺麗で有名なんだって。 涼が思う様に外で一緒にイチャイチャしながら 夜景見たりはなかなか難しいけど ここなら何してもいいでしょ。」 何しても。 って何ですか? 抱きかかえられ 出窓になっている ガラス窓の窓台に座らされる。 「夜景バックの涼。可愛い。」 そう言って嬉しそうにニコニコ微笑んだ。 可愛いって・・。 「俺。もうオッサンだぞ。」 「そう? じゃあ俺もオッサンでしょ。 涼と一つしか違わないんだから。」 そうだけど。 「だから可愛い可愛いって・・。 可愛いわけないだろって・・・んっ・・。」 文句を塞がれるように口づけられ 新の生温かい舌がぬるっと入ってくる。 ああ。。もうやべえって・・。 気持ちい・・・・い・・。

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