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「薬飲む前にこれちょっとでいいから飲んで。」
されるがままにグッタリと横たわる新の口に
ゼリー飲料を突っ込み ぎゅっと絞ると
グフっとむせながら 辛そうに飲み干した。
「ごめんっ。出し過ぎた?」
慌てて顔を近づけると 新は小さく首を振る。
目を細めて パクパクと乾いた口を動かした。
「お・か・・えり。」
こんな状態でも まず そう言ってくれるんだから。
ホントに新は何でも俺が優先。。
「ただいま。とりあえず熱下げるぞ。
薬買ってきたから これ飲んで それでも
あんまり下がらなかったら病院な。
夜間診療 調べといたから。」
熱に効き目がある風なパッケージに釣られただけで
どれがいいかも全然わかんなかったけど。
錠剤を新の口に入れる。
首を上げて水を含みゴクンと飲み干した。
で。あとはこれか。
箱を開けて冷却シートを引っ張り出し
フィルムを外して 新の額にペタンと貼る。
よし。
ひとまずこんなもんかな。
「涼・・。」
「ん?」
か細い声に振り向くと 新は何故か
起き上がろうとする。
「おいおい。何やってんだよ。寝てなきゃ
ダメだって。ほら。」
熱い肩を掴むと 新はふるふる首を振った。
「涼・・ご飯・・食べて・ないで・・しょ。
今日・・・忙しいって・・。」
あー。もう。。
「大丈夫だって。俺 小学生じゃないんだから。
っつーか今時の小学生だって出来るよ。
さっきスーパーで適当に買ってきたし。
病人がそんな心配してんな。」
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