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「・・何・を?」
「ん? ああ。カップラーメンとコロッケとか。
惣菜幾つか。」
新は途端に顔をしかめた。
「ダメ・・そんな・の。。今・作る・・。」
「大丈夫! 一食それだからって別に死なないから。
もーっ。ホントにお前 こんな時くらい
母ちゃん仕様は止めて 少しは自分を大切に
しなさいよ。今は熱を下げる事だけ考える。
ほら。ちゃんと布団かけて。」
無理矢理寝かせて布団をかける。
新は熱で顔を真っ赤にしながら
ご・めん・ね。と呟いた。
「なんで謝るんだよ。大丈夫だから。な。」
汗で張り付いた前髪を掻き上げてやると
新はすりっとその手に擦り寄り そっと目を閉じる。
すぐに さっきよりは少し落ち着いた息遣いで
寝息が聞こえてきた。
早く熱下がるといいなぁ・・。
ベッドに肘をつき それでもやっぱり
辛そうに顔を歪める新の頭を撫でる。
今更気づいたけど。
新っていつも俺の事山程甘やかすクセに
自分はあんまり甘えてこないよな。
夜の営みの時は まあ甘えたりもするけど
あれもちょっと意地悪だったり面白がって
だったりするし。
こういう普段の時に弱み見せたり甘えたり。
それこそ弱音吐いたりもしない気がする。
大体グチグチ言ってるのは俺で
新はいつも聞いてくれて的確なアドバイスくれて。
だけど。そういや新が愚痴ってるのって
聞いた事が無い。
キレるのはこの間のジーンの時もそうだし
何度か見た事あるけど それも俺絡みだし
自分の事で文句言ったり愚痴ったりなんて・・。
・・我慢してんのかな。
俺だと頼りなくて甘えられないとか・・。
うん。
あり得ますね。
はい。
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