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喉が焼けるように渇く。 熱いのに寒い。 背筋がゾクゾクして。 ああ。あったな。。 こんな事。 子供の頃 熱出して。 でも。誰も傍には居てくれなかった。 辛くて苦しくて。 布団の中で 辛いよって泣いて。 だから。 もう絶対に病気にはならないって。 そう・・決めてたんだけど。。 ね。 ・・辛い。 苦しい。 ひとりぼっちは・・。 辛い・・・。 朦朧とする意識が少しずつハッキリする。 新はゆっくりと目を開けた。 カチャカチャとキッチンの方から音がする。 ああ。そっか。 涼。帰ってきたんだっけ。。 体中から汗が吹き出しびっしょり濡れていた。 少し下がったかも。 良かった。。 パタパタと足音がして 涼がひょこっと 顔を覗かせる。 心底ホッとするって。 こういう事だな。。。 「新。どうだ? ああ。すげえ汗かいたな。 よーし。着替えんぞ。」 涼はニコッと笑みを浮かべ 俺の背中に 腕を回すと よいしょっと起き上がらせてくれた。

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