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「家族だって言ってくれたでしょ。」 熱出して。思い出さなくてもいいような つまらない事で不安になって。 醜態さらしても。 涼は家族だって言ってくれた。 嬉しかった。 自分だけがそう思ってるんじゃないって 涼がちゃんと言葉にして言ってくれたから。 だったら。 一生一緒に居たい。 ただそう思っているだけじゃなくて きちんと形にしていきたい。 「涼が仕事を辞めた時。他にやりたい事が あったらそれはそれでいいんだよ。 でも 今一緒に出来るならやって欲しいなって 思って。俺の為でもあるんだ。 一人で考えてるとどうしても独りよがりに なっちゃうし。同僚が欲しいの。」 ね。と顔を覗き込むと 涼は少し困ったように 眉を下げ 苦笑いを浮かべた。 「俺。大忙しじゃないですか。 恋人で家族で その上同僚かよ。 ああ。。違うだろ。何だっけ。 シーイー・・まあ。いいや。それな。 もう何もかも一緒じゃん。一蓮托生ってヤツ。」 ふん。と鼻息荒く よしっ。と握った手に 力を込める。 「じゃあ。やってやりますか! そうだな。何か違う事って言ったって 何も思いつかないし。俺。食に関われてる時が 結局一番楽しいんだよ。だからプライベートでも 試食出来るの 嬉しかったし。 でも。これからは俺の発言にも 責任が伴うって事だな。 だったら ちゃんと勉強しないと。な。」 二カッと笑い うんうん。と一人頷いた。 涼はホントに切り替えが早い。 腹を決めたら 真っ直ぐで。 そして それからはちゃんと対価を貯金箱に 入れて 月一回。 こうやって 試食会 兼 経営会議をやっている。

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