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帝王が忘れられない人。か。
まあ。確かに美人さんではあるけど 涼の言う通り。
元々コッチの人じゃないよね。
「あの。。貴方が叶の・・その・・。」
ええ。と頷く。
「ただ。ご存知の通り 本人は鉄壁のガードで
ひた隠しにしてきていますから。
会社の管理部門に知られたとビビっているので
出来ればご内密に。よろしくお願いします。」
敢えて 少し芝居じみた口調で そう言うと
服部さんは くすっと笑った。
「確かに。叶は同期でも秘密主義で。
一人で悩んでいたりしてるんじゃないかって
ずっと心配していたんです。
仕事の仕方も右に倣えタイプじゃ無いし。
でも。貴方のような方が傍に居るなら
大丈夫ですね。」
そう言って ほうれん草を口に入れる。
ん。と目を見開いた。
「・・美味しいです。。ああ。こんなに美味しい物が
食べられるなら それは急いで帰るかな。。」
いい人なんだろう。
気持ちの優しさが前面に出る。
その表情 言葉に嘘臭さが無い。
本当に涼を心配していたんだな。
この優しさが帝王を掴んで離さない魅力。
ってヤツかもね。
「服部さんはどうなんですか。」
そう聞くと
え。と口を開き 固まる。
「名前・・。ああ。叶が話しているんですね。。」
項垂れるように視線を外す。
涼の心配してたけど 実は悩んでいるのはこの人。
って事だな。
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