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激しく貪り そっと離すと ウルウル潤む瞳に
じっと見つめられた。
何年一緒に居てもゾクッとする。
もう。ホントにいつまで経っても可愛い。
ちょっと酔っ払ってるし 手伝いも大変だった
みたいだから疲れてて甘えたなのも。
堪らないくらい可愛いよね。。
はらっとかかった前髪を後ろに掻き上げて
またゴロンと抱きしめたまま横に転がった。
「ほら。疲れたでしょ。ダメって言っても
明日手伝うって聞かないんだから
だったら早く目瞑って。
いつもなら秒で寝るのにどうしたの?」
トントンと子供をあやすように背中を叩くと
潤んだ瞳がトロンと溶けてくる。
「だ・・って。嫌だから・・。新が他の人のとこ・・
行ったらとか・・思うと・・嫌だし・・。」
眠気と嫉妬の狭間で必死にそう言葉を繋げた。
なんでそんな心配するんだろ。
俺には涼しかいないのに。
「そんな可愛いことばっかり言うと
明日起きれないくらいに抱き潰しちゃうけど。
どうする? 手伝い諦める?」
ぽんぽんと頭を叩き
「俺は涼だけっていつも言ってるでしょ。」
安心させるようにそう言って顔を覗き込んだ。
じっと俺の顔を見つめ返し やっとちょっと
安心したのか コクンと頷く。
「わかったぁ・・。寝る・・。」
そう言って 目を瞑ると すぐに安らかな
規則正しい寝息が聞こえてきた。
もう。煽るだけ煽って我慢させてるって
わかってんのかな。
きゅっと鼻を摘まむと眉間に皺を寄せ
それでも絶対に目を開けない。
一回寝たら何してもピクリともしないしね・・。
まあ。いいや。
計画してる事を実行した時
この貸しは存分に返してもらうかな。
今からちゃんと準備して。
本当に楽しみ・・・。
新はくすりと笑い 布団を引っ張り上げると
涼介を柔らかく抱きしめて目を閉じた。
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