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「お前だよ。誘っただろう。俺を。 お前のせいだ。わかるんだよ。匂いで。 ぷんぷん青臭い匂い吐き出しやがって。 お前が俺を闇に引き摺りこんだんだ。 だからな。証明してやったんだ。 俺はちゃんと結婚出来る。 女とセックス出来る。子供も作れるって。 どうだ。出来ただろう。 仕事だって必死に頑張って成果出して。 波風立てずに我慢して・・。 なのに・・・・なんで・・・。」 何言ってんだろ。この人。 俺が誘ったって 何回かしか 顔を合わせてないし しゃべった事だって・・。 その時脳裏に一つの映像が浮かぶ。 ああ。あれって。 この人だったっけ。 実家では風呂上り基本裸でうろうろと うろつき回っていて。 キッチンへ全裸のまま水を取りに行き 冷蔵庫を開けてペットボトルを取り出すと そのままキャップを開けゴクゴクと飲んだ。 ふと視線を感じて見ると 大学生ぐらいの男が 立っていて。 姉ちゃんの家庭教師か。と思っただけで じろっと睨みつけると 俺の全身に視線を滑らせて そのまま何も言わずにその場を去った。 変な奴。くらいにしか思ってなくて すっかり忘れてたけど・・・。 その事を言ってるんだとしたら とんだトバッチリですね・・。 まあ。この人の言いたい事はわかる。 許せないんだろうな。 俺が。 自分の性癖を認められず 周りの期待に応えて 仕事して結婚して子供作って。 で。きっと仕事でうまくいかない事があって。 姉ちゃんともうまくいってないのかもしれない。 なのに 俺が男と同居して 楽しそうに暮らしてる。 最初は優越感だったのかも。 親との喧嘩 目の当たりにして ほら。見た事か。 親不孝者が。 幸せになんてなれないんだ・・って。 だから理解してるから相談しろみたいな風に 言ってきたんだろうし。 バラすと脅して 泣きつく俺を見て 自尊心を保とうとか思ってたのかね。 で。俺が泣きつかなくて 別にいいとか 言っちゃったもんだから 今度は八つ当たり・・・。 って事ですか。 泰雄さんは完全に目が座っている。 掴んだ胸倉をそのままに 俺をソファーに押し倒した。

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