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空を見上げると どんよりとした曇り空。
みんなの心も曇り空。。
俺のせいかもしれないし 違うかもしれない。
結局 最終的にどう思うかは人それぞれ。
俺がこうじゃなかったら。とか。
想像してみたって何もわからない。
ただ。
俺も逃げてばっかじゃダメだよな。
不適合者だって諦めて貰うまで 逃げ続けるとか。
ダメですよね。。
その時 また携帯がぶるっと震える。
今度はちゃんと画面を見ると新からのLINE。
【また蟹が届いたんだけど。これって?】
やべっ・・。
すっかり忘れてた。
急いでそのまま通話を押した。
「・・ああ。新?・・ごめん。また忘れてた。
・・・うん。そう。クリスマスプレゼント・・・
え?? 生きてるヤツ? ・・ごそごそ動いてる??」
えー。。
余計 手間かけちゃうんですけど。
それも一番忙しい時期に・・。
・・俺ってやっぱり不適合者。
ですね。
存在自体が迷惑・・。
携帯を握りしめたまま 呆然とその場に立ち尽くすと
新の声が聞こえてくる。
「迷惑じゃないから。焼き蟹と蟹しゃぶ。
毛蟹の甲羅味噌に日本酒入れてグビッとか
最高でしょ。クリスマス蟹パーティー。
早く帰ってこないと全部食べちゃうよ。」
心を読んだように そう言って くすっと笑った。
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