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新は 腕を組み うーん。と考えるとポツリと言った。 「料理してる時 いつも思ってる事があるのね。」 「うん。」 何? と口をモグモグしながら続きを待つ。 新は遠くに視線を送り 「これ。涼に食べさせたら何て言うかなぁって。 勿論。お客さんが美味しいって言ってくれるのが 目的だけど まず 涼を納得させられるかかなって。 これを食べたら美味しいって言うかな。 ああ。なんかこう言われそうだな。。とか。 そう思ったら じゃあ何かって考えて。 頭の中にもCEOが居るって感じ。」 そう言って俺に視線を戻すと 何故か笑みを浮かべ 俺の口元についたソースに指を這わせると ペロッと舐めた。 ・・もう。 いつも俺の事考えてくれてんのは嬉しいけど。 新さん。 あなた。仕草一つ一つが エロいんですよ。 ホントに。 この間店を出てきた女性客二人連れと すれ違ったけどさ。 キャーキャー言ってて。 カッコいいだのフェロモンムンムンだの。 ムンムン。 なんですって。 ムンムン。。 ム・・。 「涼。最初ビールだよね。瓶ビールにしよっか。」 急に声がかかり 思考を止めハッと振り返ると 新が瓶ビールとコップを持ってきて 振り返った俺の顔を見て ん?と目で問い返した。 やべ。 「はい!瓶ビールでいいです!」 手を挙げ コクコク頷くと くすっと笑われる。 「疲れたでしょ。ごめんね。やっと休みだったのに。 でも手伝って貰ってホント助かったな。 涼。だいぶ慣れたよね。お客さんにも すごく評判良くて 平日来た再訪のお客さんに 今日は居ないんですかってよく聞かれる。」

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