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まあ。でもせっかく俺の要望も 叶えようとしてくれてるんだし。 まず 何より新の気持ちが嬉しいし 旨いもの食い倒れツアーとか最高すぎる。 脳内でアレもこれもと思い浮かべると ヨダレが出てきますよ。あなた。 「よし。じゃあ決まりな。」 そう言うと新は嬉しそうに頷いた。 「でも。ちゃんと休めそう?」 「うん。まだ時間あるだろ。やるとしたら どれくらい目途だ?」 「そうだな。もう少し準備に時間もかかりそうだし 出来れば住居部分も少し手を入れたいのね。」 「住居部分?」 新はにやりと笑みを浮かべ 「お風呂。もう少し広ろげて快適にしたくて。 今だと一緒に湯船つかるのもぎゅうぎゅうでしょ。 洗い場も狭いし 全体的に古くなってるから。 ついでに一緒にやっちゃおうと思って。 まあ。だから春ごろ目途って感じかな。」 ・・・それは違う目的じゃ。 ちろっと睨むと新はくすくす笑い出す。 まあ。いっか。 確かに今の風呂場はかなり古くて狭く だからって新は絶対に毎回一緒に入る。 どうせなら快適な方がいいですよね。 ・・うん。 はい。 さて。じゃあ それまでに三沢と木崎。 特訓しねえとな・・・。 それが一番厄介かもしんねえけど。 どっか無理矢理専属持たせて荒療治。 って言ったらあそこしかねえか。 三沢が真っ青になる様子が思い浮かび 思わず くっと笑いを漏らすと ん?と新に顔を覗き込まれて急いで首を振る。 「楽しみだな。旅行も改装も。」 カチンとグラスを合わせて冷酒をグッと飲んだ。 その時 テレビの画面がパッと変わり 初詣客でごった返す寺の様子が映し出される。 ああ。終わる。 今年一年。色んな事あったけど。 「新とまた一緒に新年迎えられるな。。」 ポツリと呟くと 鼻をきゅっと摘まれ 新は顔を近づけた。 「何言ってんの。これからも ずっとそうでしょ。 毎年 一緒に年を越して 新しい年を一緒に迎える。 俺はそのつもりだけど?」 はい。そうでした。 「すいません。」 ペコリと頭を下げると くすくす笑い合う。 カウントダウンが始まり 時計が0時を指し示すと 新はチュッとキスをして 「あけましておめでとうございます。」 「おめでとうございます。」 ぎゅっと強く抱きしめられた。

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